彼は同居人!? 17【完】 | ★妄想変態恋愛小説★

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「こ…、うす…け?…浩輔!?…聞こえるっ!?…ねぇ!返事して!?」



大声を出す、あたしに看護婦さんが飛んできた。



「相沢さん!?」



「あ!浩輔の手が…、手が動いたんです!」



「えっ…、せ…、先生呼んでくるわね!!」



看護婦さんは急いで、病室を出て行った。



「倉田さん聞こえますかー?」



すぐに先生がやってきた。



「…………。」



でも全然反応がない。



やっぱり、さっきのは見間違いだったのかな…、って思った時。



「さ…、ち…。」



「こ…、浩輔っ!?」



「紗知……。」



「うん!!!!紗知だよ!!!!」



「俺……。」



「良かった…、良かったぁ…!!!!」



「ごめんな…。」



「もうっ、いつまで寝てんのよっ!!!!許してあげないんだからねっ!!!!」



「あぁ…、一生を懸けて、お前に償うよ…。」



「うん…。」



浩輔は目を覚ましてから、あっという間に回復していった。



「紗知?」



「なにー?」



「お腹減ったぁ。」



「はいはい。」



そう言って、りんごの皮を剥くあたし。



「違うよ。」



「え?リンゴ好きでしょ?何が食べたいのよ。」



「紗知に決まってる。」



「……なっ!!!!」



「もっと、こっち来て?」



「だっ…、ダメだってばっ!!!!ここ、病院っ!!!!」



「バレないって、紗知が声我慢すれば…、な?」



ククッと笑う浩輔。



「もうっ!!!!」



「紗知…、キスだけ…。」



「……う、ん…。」



1番最初の時みたく、小さく触れるだけのキスだった。



もう浩輔なしじゃ、生きられない。



浩輔と出会う為に、あたしは生まれてきたんだ。



浩輔、大好きだよ…。



「無理しないで?」



そう…、言ってるのに



「大丈夫っ。」



そう言って浩輔は、仕事に復帰した。



「でも…。」



「紗知の傍にいたいから。」



「浩輔…。」



いつだって浩輔は優しいんだ。



仕事は順調だった。



相変わらず、メンバー同士も仲良くて飲み会なんて、しょっちゅう開いてた。



浩輔との結婚の話も進んでた。



あたしの親に挨拶をしに行って、お父さんも、お母さんも祝福してくれて、嬉しかった。



でも、やっぱり浩輔の親のことが気になっていた。


「浩輔…。」



「どうした?」



「あたし浩輔の、ご両親にも挨拶したい。」



「…………。」



やっぱり浩輔は、あまりいい顔をしなかった。



「あたしには、会わせられないってこと?」



「そうじゃない!」



「浩輔…。」



「俺さ…、昔遊んでただろ?」



あぁ、女なら誰でもって時期ね。



「……うん。」



「それがさウチの親にしたら、すごくイヤだったみたいでさ。」



そりゃそうだよね。



自分の息子が、女とっかえひっかえしてるのを知ったら、あたしだってイヤだよ…。



「……うん。」



「それで追い出されたんだよ。」



「そう…、だったんだ…。」



「それが19の時。だから、もう6年は家に帰ってないし、連絡も取ってない。」



「…………。」



そんなことがあったんだ。



何も知らなかったな、あたし…。



「紗知、泣いてるの…?」



「あ…、ご…、ごめん…。」



「いや…、どうして泣くの?」



「あたし…、浩輔と一緒にいて、一緒に暮らして、一緒に仕事して、浩輔のこと何でも分かってる気でいた。だけど、まだまだ知らないことが、たくさんあったんだなって…。」



「それは俺だって同じだよ?紗知が、どんな人生だったか、どんな奴と付き合ってきたか、何も知らないもん。」



「でも…、あたしがその頃の浩輔に出会っていたら、お父さんたちと今でも普通に連絡取り合ってたんじゃないかって…。」



「それなら俺だって、アイツと付き合う前の紗知と出会ってたら、紗知が悲しい思いしなくて済んだんじゃないかって思うよ?」



「浩輔…。」



浩輔は優しく微笑んで、あたしをギュッてしてくれた。



「ねぇ、浩輔?」



「んー?」



「結婚式に、お父さんたち呼んでみない?」



「……え。」



「来なくてもいいじゃない?出すだけ出してみよ?」



「うーん…、紗知が、そう言うなら…。」



「浩輔大好きっ。」



そう抱き付けば



「知ってる。」



抱き返してくれた。



季節は巡り浩輔が倒れた、あの暑い夏の日がきた。



「もうすぐだな、結婚式。」



「そうだねっ。もうちょっとダイエットしなきゃ。」



「紗知は今のままで、ちょうどいいよ。」



「え…?そうかなぁ??」



いつも、この言葉に甘えて、あたしはいつもダイエットをサボっちゃうんだ…。


結婚式は身内だけですることにした。



前の店長や今、働いてるメンバーのみんなは来てくれるけど、あとは本当に仲良くしてる友達だけ。



浩輔の親からの連絡はなかった。



だけど、あたしは来ると信じてみることにした。



そして結婚式当日。



「紗知、キレイだよ。」



「浩輔もカッコイイよ。」



お互い褒めあった。



浩輔と歩くバージンロード。



身内の席に浩輔の両親は…。



涙を流して微笑んでいた。



「浩輔の、お父さんとお母さん?」



小声で聞くと



「あ…、あぁ。」



浩輔は戸惑いながら…、だけど嬉しそうな顔をしていた。



披露宴で両親に宛てた手紙も読んだ。



「お父さん、お母さん。今まで大事に育ててくれて、ありがとう。お父さんと、お母さんの子供で良かったよ。これからは浩輔さんの為に、精一杯頑張ります。だから、これからも迷惑かけちゃうかもしれないけど、その時は、ごめんね?浩輔さんの、お父さん、お母さん。浩輔さんを産んでくれて、ありがとうございます。こんな素敵な人、どこを探してもいないと思います。これから、ご迷惑もかけるかもしれませんが、よろしくお願いします。」



お父さんもお母さんも泣いてた。



隣をチラッて見たら、浩輔も少し泣いてた。



それにつられるように、あたしも泣いた。



あれから浩輔の、お父さんたちとは良く連絡を取り合うようになった。



家にも遊びに行くようになった。



お店も順調で毎日が充実してた。



あの日、潤がヨリを戻そうって言ってなかったら…。



あの日、あたしがあのマンションに引っ越さなければ…。



あの日、浩輔と出会わなかったら…。



あたしたちは、一緒になってなかったのかな…。



だけど、それを浩輔に言うと



「どこにいたって、紗知とは結ばれる運命だったんだよ。」



そう…、言うんだ。



その言葉が嬉しくて、たまらない。



これからも浩輔と一緒にいたい。



子供ができても、いつも一緒に笑い合っていたいな。



そんな今日も。



「紗知ー?今日のごはん何?」



「今日はロールキャベツだよぉ。」



「そっか、楽しみー。でも、その前に紗知ね?」



「……う、んっ。」



そう…、頷く。



この瞬間が、とても幸せ。



どうかどうか、この幸せが、ずっとず~っと続きますように。



END




無事終わりました!!

それもこれも、皆さんの温かいコメントのお蔭ですっ!!

ありがとうございましたっ♪

途中ちょっとツライシーンもあったけど、やっぱりハピエンが好きなので…。

こんな最後でしたが…、大丈夫でしたかね…?

って、クレームは受け付けませんがww

浩輔ファンも増えて、良かった良かった♪

と、いうことで…。

次の小説ですが…、どうしようかなぁ?

今書き始めてるのじゃなく、違うのにしようかな?

まぁ、そのうち…♪

また温かく見守ってくださると嬉しいです♪

まきちん。