夢の読書 | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 読み聞かせたまま息子は
 眠ってしまう。
 きっといい夢、見るんだろうな。
    (女性・30代)

 新聞で出会った言葉です。
 私は電車通勤をしているのですが、電車の中では、だいたい本を読んでいます。
 読んでいるのですが、寒い外から暖かい電車の中に入ったせいか、だんだん眠くなってきます。しだいに眠りに落ちていくのですが、夢の中で本の続きを読んでいるのです。
 なにやら面白い話が、自分の頭の中で進んでいて、でも目がさめたとたん、どんな話を思い描いていたか忘れてしまう。ただ、目覚めて現実の本に目を戻しても、そこに書かれてある内容とはほど遠いことだけ分かる。そんな感じなのです。

 こんなふうに、読み聞かせたまま眠ってしまった子どもも、きっといい夢を見ているんだろうな。
 お母さんやお父さんの声が、夢の中の登場人物の声になりながら。