太郎こおろぎ無とは何ぞや華が無を現すようにあなたが私に孤独を教え込む何を話していいか解らぬまま時が過ぎ自分がどうしたいのか何を考えているのかさえ解らずその声を聞いていた金木犀の香のたおやかな風が優しく頬を撫でていく静かな夜あの虫の音はきっと太郎こおろぎ私はたちまち少女に帰り鳴いてみる優しい嘘よりただ一つの真実が欲しいリリーリリーと泣いてもあなたは来ない