ご飯を食べに行くと、これはお相撲さんサイズかな? 一般の人サイズかな?
と考えてしまうようになりました。
こんにちは。両国部屋の見習い女将のこかみです。
両国を散歩していると、これはなんぞや? となる変わった外観の店を発見します。
「ねえねえ、気になる店があるんだけどさあ」
店の外観を撮影した写真を、夫で見習い親方のげんげんに見せるこかみ。
「なんや。”ももんじや”やん。ここは俺もずっと目をつけていた店やで。こかみを連れていくで」
にやりとするげんげん。
「山くじら ももんじや」の一度見たら忘れられない外観。
なんと、享保三年(1718年)創業の超老舗・猪料理店。
江戸時代、猪は別名「山くじら」と呼ばれていました。当時は、仏教思想から四つ足の肉食は禁じられていたため、魚と考えられていたクジラと肉の色や触感が似ていた猪は、クジラの名前を借りて店で出していたそうです。
「こんばんわ~、予約したこかみとげんげんです」
「お待ちしておりました~」
席は全席個室。落ち着きのある空間で猪料理を堪能します。
「ここ、ええなぁ~」
あぐらをかきながら部屋を見渡すげんげん。
「このまま寝ちゃいそうな落ち着きだよね」
畳に寝っ転がりそうな勢いのこかみ。
「失礼やで!やめろや!」
注意するげんげん。
ガラガラ。
ふすまが開き、ぴしっと体勢を立て直すこかみ。
お料理がスタートしました。
まずはビールで乾杯。
猪とビールは最高だ!
猪肉の煮込み。あっさりスープに、少し歯ごたえのある猪肉。
全くくせがなく、猪だと説明されなかったら、牛だと思っちゃうかも。
猪鍋。猪の肉は火が通る前はものすごく濃い赤。
煮込めば煮込むほどおいしくなるそうで、10分~15分で食べてくださいと
説明されました。ならばと、こかみとげんげんは20分放置。
脂身がとくに美味しくて、牛や豚のようなクドさがなくて、
なんともあっさり! 脂身だけ永遠に食べ続けたいくらい。
鹿さしみ。馬刺しとまぐろの間みたいな触感。
癖は全くなし!
「なんじゃこれ!うま!」
恐る恐る口に運びながら、口に入れたとたん目を見開くこかみ。
「うまいなぁ。これは、癖になりそうや」
癖のないさしみが癖になりそうなげんげん。
鹿竜田揚げ。揚げ方がめちゃめちゃうまくて、さっくさく。
もし、生まれたときから鶏と鹿の竜田揚げを知っていたら、
好きな竜田揚げの究極の二択になっていたかも。
熊汁。熊ってこんな味なの?
まるで昔から食べていたことのあるような、
日本人の私のDNAに染みる、優しい味。
〆は鍋のスープにうどん。
歯ごたえのある麺に濃いめのスープが絡まって、
これまた癖になっちゃいそう。
黒豆のアイスクリーム。中にでっかい黒豆登場。
これって、お店のオリジナルのアイス?
「このアイス、めちゃめちゃうまない?」
こかみのアイスに手を伸ばそうとするげんげん。
「うん、美味しいね。アツアツ料理のあとの冷たいデザートって、
なんかすごい贅沢だね~」
アイスをちびちび食べていたら、結局げんげんに半分奪われました。
伝統的な料理に舌鼓を打ったこかみとげんげん。
アパホテルが見える両国の街をサンダルとスニーカーで歩きながらも、
なんとなく、下駄を履いているような気持ちで、
江戸の歴史にお互い思いを馳せるのでした。
ももんじやさん、伝統の料理をありがうございました!
【ももんじや】
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最近見た面白かった映画
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
同作品が映画監督デビューとなるオリヴィア・ワイルド監督による
2019年アメリカ公開の作品。日本では現在公開中!
真面目で勉強ばっかりしてきたエミリーとモリ―。
遊んでいたと思っていた同級生たちも一流大学や一流企業に進むことを知り、
卒業式前夜に遊び狂う計画を企てる。
『スーパーバッド 童貞ウォーズ』の女子版です。
こかみは、映画を観ながら、
こかみには、高校生のときに、なんでも話し合い、
お互いにリスペクトして、大喧嘩もできる友達がいたかな?
と何度も考えました。
主人公の二人は、最高の親友! 理想の親友! めちゃめちゃ可愛くてカッコ悪い!
素敵、うらやましい、元気もらうなー!この映画。
いろんな思いが心にいっぱい湧き出て、
うれしい涙がボロボロで過ぎて、
太ももがずぶ濡れになったこかみでした。