怪我との向き合い方 | 豊嶋邑作オフィシャルブログ「Grande Responsabilité」Powered by Ameba

怪我との向き合い方


日本の皆さん、こんばんは。


共に戦った仲間が、昨日、練習中に負傷したと連絡を受けました。


詳しいことは検査をしてみなければわからないとのことだそうですが、

決して小さくない怪我であり、

今は少しでも軽傷であることを願うばかりなのですが、


本人にとっても、新天地への挑戦を目前に控えたこのタイミングでの怪我に、どれだけ辛い思いや悔しい気持ちを抱いているのか、

それは、 なぜこんな時に? という怪我を、これまで何度も経験してきた自分には、人よりはその気持ちを、わかるつもりでいます。



そんな僕ですが、やはり、何度もそういう 経験 をしていく中で、見つけたと言いますか、 気づいた と言うべきか、一つの、怪我との向き合い方があります。



怪我という事実に対して、人を勇気づけ、励ます言葉の代表的なモノとして、本田選手はかつてこんな言葉を残しました。


「怪我はチャンスや。」


と。



しかし、僕の意見は少し違います。



僕は、 怪我 を チャンス とは考えていません。


それは、怪我という ネガティブ な要素を、無理に ポジティブ に変えようというものであり、

人が苦しむのは、 ネガティブ は悪いもので、ポジティブに考えないといけないと思っているからこそです。


本田選手がそう発したのは、

そうでも言ってないとやってられないという部分と、

そうやって言葉にすることで、自分を奮い立たせたいがための言動だと僕は考えています。それは、ものすごくよくわかります。



でも僕は、 怪我は怪我 であり、やはり ネガティブ な事実は ネガティブ なモノだと思っています。


かと言って、


僕は怪我を ピンチ だとも思っていません。



それが、僕の 怪我 の捉え方です。

ネガティブのままにしておくのも辛い、

でも、無理にポジティブに考えるのも辛い。

そんな人は、そんな時は、


じゃあどうしようか?


そのまま置いておきましょう。
どちらでもない、ただの 現象 に過ぎないと考えることから、その 向き合い方 はスタートします。





人は、晴れの日と雨の日を、同じものとは考えません。


なんだよ、今日は雨かよ!


と言って、晴れの日と同じように過ごして、傘もささずにずぶ濡れになる人はいませんよね?


雨の日には、雨の日の生き方があることを、人は知っています。




だから、


怪我をしない自分

と、

怪我をした自分


を同じ生き方で生きようとは考えていません。



雨の日には、確かに人は気分が落ち込んだり、雨によって妨害されることもたくさんありますが、


毎日晴れているだけでは、農作物は育たない。
雨によって、人の生活を助けてくれているものもまた、たくさんあります。



結局、晴れの日と雨の日、その二つが揃って初めて、人は 幸せな生活 を送れているのです。



そこでふと、こんな考えに至る。


怪我している時にできることって、

実は怪我している時にしかできないことなんじゃないか?


と。それが、全く別の生き方をする必要がある。それでいて、全く別の喜びや大切な要素がそこにあるということに気づかせてくれた要因でした。



もし、あなたが 英語力 を身に付けて、 英会話 ができるようになりたいとします。


すると、あなたに必要なことは、相手と話す 実践 の機会と、

単語や文法を覚える 習得 の時間が必要となります。



その、 習得の時間 が、怪我をした時の リハビリ の時間なのです。




サッカーが上手くなりたければ、サッカーだけをしていなさい。


と言う人は、その 別世界の法則 を知らない、サッカーしかやったことのない人です。


そう考えている人にとって、 怪我 は、終わり を意味します。だから、立ち上がれない。

何で晴れないんだよ!

と言いながら、ずぶ濡れになって歩いているのと同じです。



でも、この法則さえ知っていれば、 リハビリの時間 も、非常に大切なことがわかります。



なぜなら、


英会話ができるようになりたいからといって、

相手が発する言葉は、自分が覚えた 単語 しか聞き取れないし、


自分が言葉を発するにも、やはり単語や文法を覚える必要があるので、


相手とやみくもに話し続ければいいというわけではないからです。



じっくりと 習得する、己を磨く という時間が、必要なのです。



その二つが揃って初めて、 英語力 が向上するように、


サッカー選手としての向上にもまた、そういった 試練 という期間が、どうしたって必要なのです。





長くなりましたが、最後に最も伝えたい、最も知ってもらいたい 怪我の生き方 があります。


僕は3年前、アキレス腱を断裂して手術をしました。


移籍の話もある中で、

不動のレギュラーとして活躍し、注目度も増して来ていたタイミングでの信じられない大怪我で、


怪我した瞬間に、頭が真っ白になったのは事実です。恐ろしいくらいの不安や恐怖があったのも事実です。



でも、その リハビリ期間 が、僕にとって 辛い日々だったか? と聞かれると、全くそうではありません。


むしろ、良い記憶として、温かい記憶として鮮明に残る、人として、幸せな日々でした。



なぜでしょうか?



それは、 人の温もり を、怪我をしていない時の何倍も、

大怪我や手術をしなければ体験できないような人の優しさや温もりを感じられたからです。


入院中、

色んな人が、普段は聞くこともできないような熱い、心から僕のことを想ってかけてくれる、温かい言葉をたくさん聞くことができました。


そんな体験、普段にできますか?



できないでしょう。





松葉杖をつく自分に、

見知らぬ人までが気遣いを見せてくれたり、


懸命のリハビリを、懸命のサポートで支えてくれるたくさんの人との出会い…



それらは、

人よりほんのちょっぴり不幸に見舞われたからこそ経験できた、とてつもない幸福でした。



雨の日には、

晴れの日に感じられる幸福は感じることはできない。



でも、


雨の日だからこそ、暖炉や人の温もりを感じ、


雨の日だからこそ、感じられる幸福がある。




それは、怪我も同じだよ。



今は、こんな心配が杞憂に終わるくらい、検査結果が軽傷であるのを願うばかりです





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顔晴れヒロ!!