「新湊旋風」にみる 苦労 の価値 | 豊嶋邑作オフィシャルブログ「Grande Responsabilité」Powered by Ameba

「新湊旋風」にみる 苦労 の価値


日本の皆さん、こんばんは。

ヨーロッパは今日からサマータイムとなり、日本との時差が1時間縮まり-7時間となります。(日本の21:00は現地時間14:00)


朝の8時まで寝ようと目覚ましをかけると、目覚ましが鳴るのは、 昨日までの朝7時 なので、 もう8時!? となるのは、欧州4年目ですら、 あるある です。笑


日本は、目下、センバツ甲子園の真っ只中。
我が茨城県を代表して出場した常総学院は、惜しくも大阪桐蔭に敗れてしまいましたが、その 健闘・勇姿 は、多くの人に感動と元気を与えたことでしょう。



さて、遡ること30年ほど前。
日本中に 衝撃 を与えた高校がありました。


その高校の快進撃は、 新湊旋風 と謳われ、球史に残る戦いを見せてくれました。



当時、富山県勢の高校野球のレベルは低く、新湊高校がセンバツ甲子園に出場するのも、富山県勢としては16年ぶりのことであった。

チーム打率.291は、出場高校中最下位。
当然、大会前に注目を浴びることはなかつた。


しかし、新湊高校は下馬評を覆し、見事ベスト4まで勝ち上がり、


その活躍をして、新聞各紙は一斉に 新湊旋風 という言葉でその 偉業 を報じ、称えた。


その 結果 だけでも 大偉業 である。


しかし、僕が父からそれを伝え聞き、そこから学んだことは、その 結果 ではない。



その 答え は、一回戦にあった。









一回戦。

相手は、プロ注目の怪物投手 近藤真一 擁する優勝候補の享栄。


この近藤という投手。
実は後に日本プロ野球史に残る 大偉業 を成し遂げた歴史的投手なのである。



それが、プロ初登板初先発ノーヒットノーラン という大記録。




そんな 超高校級投手 を擁するチームとの対戦に、世間は誰もがワンサイドゲームを信じた。


しかし、その日はあいにくの雨。

その影響か、近藤投手はわずかに制球を乱し、先制点を奪われる。






降り続く雨にグラウンドは田んぼ状態。

先制したは良いものの、

その悪コンディションの中、鍛え抜かれた享栄打線の痛烈な打球が、新湊守備陣を襲う。




ところが、


新湊守備陣はそんなグラウンド状況の中で、ファインプレーを連発。


虎の子の1点を守り抜き、優勝候補を撃破してしまったのである。




実は、それには理由があった。



新湊高校のある新湊市は、冬になると常にグラウンドが雪で覆われ、

彼らはその中を長靴を履いては、来る日も来る日も練習していたのである。


普段から雪のぬかるんだグラウンドで練習を積み重ねていた彼らにとって、その日のグラウンドコンディションは、まさに ホームグラウンド だったのである。



と、ここまではよくある話である。


サッカーでも、それは頻繁に起こりうるし、標高の高いボリビアやエクアドルでは、メッシでさえ、普通のプレーをすることすら困難である。アルゼンチンは大敗し、ブラジルが何もできないということもよく起こった。


でも、大切なのは、 なぜその日に雨が降ったのか? ということだ。



雨が降る日など、誰にもコントロールできない。
天気予報はあるが、その日に合わせて抽選することもできない。


それでいて、 中止 になるほどの大雨ではなく、近藤投手の制球をわずかに狂わせ、

新湊高校のお家芸を徐々に引き出すほどの雨だ。



たまたまかもしれない。

しかし、どうしても 単なる偶然 とは思えない気持ちが、父にも、そして父から話を聞いた自分にもあった。


そこには、 神様がいた としか思えないような 奇跡 が、本当にあったのだ。



これを聞いて、僕は思う。




「神様は 苦労 を見ているのではない。苦労の中で 何をしたか を見ているのだ。」



と。




苦労は誰しもある。


私は苦労をした。


そのことに 価値 を置いてしまいがちだが、実際は違う。


神様は、


その 苦労 の中で何をしていたか?


を見てくれているのである。







同じ100円を出すにしても、


100円しか持っておらずに100円を出すのと、


1000円を持っていて100円を出すのには、大きな差がある。




その 100円 を、1000円に増やすのが、 苦労の中の努力 である。




それが、 苦労の価値 である。









コメント返信のコーナー(^^)

>あまぞーさん

日本サッカーだけでなく、日本が、世界が、そしてどんな小さな社会一つ一つの中においても、そういうことが起こらない、起こさないように努力できる人間が一人でも、少しずつでも増えていくことを願うばかりですね。

サッカーには、そのチカラがあると思いますし、更なる努力を重ねていきたいと思います。