これが欧州!であってほしくない。 | 豊嶋邑作オフィシャルブログ「Grande Responsabilité」Powered by Ameba

これが欧州!であってほしくない。


日本の皆さん、こんばんは。


朝からデーゲームだった巨人の試合結果を見て、大敗したことを知って、悲しい気持ちでしたが、

それ以上に悲しい出来事が、昨夜、ここモンテネグロで起きました。



昨日のブログにも書いた通り、日本代表戦に続いて、ここモンテネグロの首都ポドゴリツァでは、ロシア代表とのユーロ予選が行われていました。


僕らの住んでる街からは遠すぎるので、僕らは現地には行っていませんが、代表戦を楽しみに駆け付けたサポーターは大勢いたと思います。


何より、選手達にとっては、国の誇りをかけた 正々堂々とした戦いの場を楽しみにしていたはずです。



その 神聖な場所 で、本当に残念な、それでいて悲しい出来事が起こりました。


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モンテネグロサポーターの投げた発炎筒が、ロシア代表GKに直撃したのです。


彼は、脳震盪と首の火傷で済んだものの、だからなんだ?という、 無事で良かった などとは決して言えない行為です。


その後、試合は再開したものの、再び発炎筒が投げ込まれるなどして試合は結局没収試合に。。。





没収試合と言えば、昨年も旧ユーゴ国がユーロ予選で騒動を起こしていました。



セルビア代表ーアルバニア代表


の因縁の試合では、アルバニア国大統領の弟が、政治的メッセージの書かれたラジコン飛行物体をピッチ上空に飛ばしたとして逮捕。


さらにピッチ上の選手、観客が入り乱れての大乱闘となり、


結局、没収試合に。







内乱・戦争という悲惨な体験が、経験が、非常識を常識に変え、


彼らの中には今も、その 憎しみ は、例え表面化しなくとも受け継がれ、いつまでも深く刻み込まれたまま。


ある後輩が言っていました。


「人は、傷ついた分だけ優しくなれる。というのは、半分ホントで半分ウソだ」

と。


傷つけられた人には、

傷ついた分だけ人には優しくできる人と、

傷ついた分だけ人を傷つけてしまう人の2パターンがあると思う。と。



ここモンテネグロでは、普段のリーグ戦でも発炎筒や爆竹が頻繁にピッチ内に投げ込まれます。


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ダービーマッチともなると、相手選手よりも、爆竹に注意しなければいけないくらいの頻度で投げ込まれ、

サイドライン際でプレーすることの多い僕は、毎回、試合が終わる度に、


今日も爆竹が当たらなくて良かった。


と胸を撫で下ろします。



彼らにとって 応援 とは、

味方を支援すること

ではなく、

敵を威圧すること

になってしまっています


その結果、味方を傷つけてしまうことになっても、それは やむを得ない犠牲 だと考えてしまう。



いや、


そう考えてこなければ、生きられなかったのかもしれません。



長く平和の中で暮らしている僕ら日本人には、考えられないことであり、


他人事なのかもしれません。



こういう 事件 が起こるたび、欧州でプレーしている日本人選手、日本人エージェントの中には、



これが欧州だ!!



と、胸を張って主張する人もいます。



何が嬉しいのでしょう?

何が楽しいのでしょう?

何が誇らしいのでしょう?



同じ サッカー に携わる人間が、


神聖なるサッカー場で、


一部の人間の非道な行為によって傷つけられる。



これは決して他人事ではなく、


これが起こってしまう舞台が、サッカーの頂点を極めた地、


欧州

であってほしくないのです。



いや、


全世界であってほしくない。



それが、 サッカー であってほしくない。



こういう 出来事 が起こるたび、

まして、まさにその地でプレーする僕らは、彼らの時代背景を知り、

どんな想いを受け継いで育ってきたのかを知り、

自分たちはどう生きていくべきかを考えていかなければならないと、心から感じないといけないと思う。



ロシア代表選手の、一日も早い回復を祈ります。




コメント返信のコーナー(^^)


>あまぞーさん

代表入りを、いつも切に願って頂き、応援して頂きありがとうございます。

せっかくこういう地にいますので、今の日本代表選手達には足りない部分を、しっかりと身につけて、より磨いて、そうすれば、必ずチャンス・可能性はあると思っています。