サッカーはメンタル | 豊嶋邑作オフィシャルブログ「Grande Responsabilité」Powered by Ameba

サッカーはメンタル


サッカーは技術だ。

とかつて、誰かが言った。



確かに、止める・蹴るの基礎的な技術、

個人個人の戦術眼や、

ボールを運ぶ技術しかり、

その 技術 が高いレベルにあればあるほど、環境や状況に左右されずパフォーマンスを発揮しやすくなるのは間違いない。


案の定、徹底的に 技術・戦術 を磨き上げたバルセロナとスペイン代表が近年では一時代を築き、

トレンドを作りあげた。


だが、今大会はどうか。


チリに散ったスペインや、

ウルグアイに飲み込まれたイングランド、

今日はイタリア代表までもがコスタリカ代表に敗れた。


所属する代表選手の 技術力 は、確実に欧州勢の方が上だろう。

実績も比べ物にならない。


それでも勝つ。

勝つだけでなく、自信とプライドを持った良いサッカーをしている。


良いサッカー

と言うと、日本人の多くはイメージ的に 綺麗なサッカー を想像する人が多いだろう。


パスを繋ぎ、

相手を崩し、

チャンスを多く作る。



そこでイメージが終わる。
サッカーの本質はどこに行ったのだろうか?



チリ代表も、

ウルグアイ代表も、

コスタリカ代表も、

オランダ代表も、


貪欲になって貫いたのは、

ゴールを取ること

と、

防ぐこと

だけ。


自陣ゴール前での集中力は凄まじいし、

どうやって守るか

ではなく、

とにかく守る

と勇気を持って、身体を投げ出して、目の前の相手に立ち向かっている。


攻撃においても、やることがシンプルで、ハッキリしている。

かつ、一人一人が勇気を持ってボールを前に前に運ぶ姿勢が強い。


そして、まず運動量で上回っている。


運動量は、身体の使い方で差はつくものの、あのレベルにでもなれば、言ってみればほぼメンタルの世界。


それが明らかに違う。



研ぎ澄まされたゴール前の集中力と、

最低限目の前の相手より運動量で勝る気持ち。







完璧というのは、脆い。


小さな綻びも、完璧を貫くが故に、大失敗と捉える。



そうなってしまうと、もはや失った部分にしか目がいかなくなってしまう。



しかし、成功や失敗の概念の外側で、やることを明確にシンプルにしておくと、小さな成功が大きな自信に変わる。


完璧な戦術と対策を練った日本は、少しの 予想外 に一気に舵を失い、


完璧だけが理想のスペイン代表は、小さなカケラに崩壊した。



チームとして 理想 を実現できなければ 失敗 の欧州勢・日本と、


一人一人が 自分のできること だけに集中して、一人一人が別々に輝いて、それが輪になった南米勢。




一色を目指すサッカーか、

明確な土台の上にある十人十色のサッカーか…



サッカーのトレンドはまた変わりつつあるのかもしれない。