「人であふれた駐車場」 | 豊嶋邑作オフィシャルブログ「Grande Responsabilité」Powered by Ameba

「人であふれた駐車場」


皆さん、こんばんは。






席を埋めるのに躍起にならなければいけない職業もあれば、


席を埋めるとクレームを言われる職業もある。





特に、駐車場の管理人さんはたまったもんじゃないですよね。



満車になると、その怒りの矛先を向けられてしまう管理人さんもいる。





その人に責任は1%もないのに・・・。






確かに、やっと見つけた駐車場が目の前で満車になってしまったり、



時間がないのに駐車場が満車だと、責任は誰にもないのに、イライラしたりしますよね。





そこの管理人さんって、どんな気持ちで働いてるのだろうか。


何に、働く意義を見出しているのだろうか?




ふと、そう思ったりする時がある。




最近、ある物語を見つけた。








私は大学を卒業後、就職した会社をたった一日でやめました

何のために働くのか、どうしても分からなかったのです。




その答えを見つけるために、自分で仕事をはじめました




わからないながらも必死で働きましたが、何かがうまくいきません

いつも中途半端で、本気になれない自分がいました
...

夢を持つことができないまま、ただ毎日を過ごしていました

当時、私は事務所のある新宿まで、毎日車で通っていました





近くの駐車場には、六十を過ぎたくらいの管理人のおじさんがいました





「おはようございます! 今日も天気でいい一日ですね」





おじさんはいつも明るい笑顔で、年齢に似合わずシャキシャキと仕事をこなしています


ある日駐車場についたら、外はひどい土砂降りになっていました

困ったなあと車から降りられずにいると、おじさんが走ってきました





「傘忘れたんじゃない?これ持っていきなよ」



「でもそれって、おじさんの傘でしょ?」



「私のことは気にしなくていいんですよ」



おじさんはいつもこんな調子で、お客さんのことばかり考えてくれる人でした

駐車場は満車になることも多く、おじさんはいつも看板の前であやまっていました



「満車です。申し訳ありません」



「やっと見つけたのに、困るんだよ!」

中には文句をいう人までいます



「本当に申し訳ありません」



おじさんはいつも車が見えなくなるまで、少し薄くなった白髪頭を下げ続けていました


ある日、いつもと同じように車を止めようとしたとき、おじさんの笑顔がないことに気づきました




「実は今週いっぱいで、この仕事をやめることになったんです」








「え!?どうしてですか?」



「妻が肺を患っているんです。空気のきれいな田舎で二人でのんびりと暮らすことにしました。これまで本当にいろいろとお世話になりました」





そういっておじさんは、深々と頭を下げました



「お世話になったのは、こっちのほうですよ」







私は何ともいえない寂しさをおぼえました今日が最後というその日、私はおじさんへのちょっとした感謝の気持ちで、手みやげを持っていきました

そして駐車場についたとき、信じられない光景を目にしたのです








小さなプレハブの管理人室の窓からは、中がまったく見えません

色とりどりの花束がつみ上げられていたからです



ドアの横には1メートル以上の高さになるほど、おみやげがつみ重ねられています





たくさんの花束とプレゼントに彩られて、管理人室はまるでおとぎの国の家のように見えます





駐車場の中は、たくさんの人でごった返し、あちこちから声が聞こえてきます






「おじさん、いつも傘を貸してくれてありがとう!」

「あのとき荷物を運んでくれて、とても助かりました!」

「おじさんに、あいさつの大切さを教えてもらいました」






人ごみの中には、笑顔のおじさんがいました

みんなが次々と、おじさんと写真を撮っています

おじさんと握手をして、ハンカチで目を覆っている人もいます

おじさんは一人ひとり目を合わせ、何度も何度もうなずいていました


私は列の最後にならんで、おじさんと話す機会を待ちました







「おじさんにはいつも感謝しています。毎朝とても気持ちよく仕事に取りかかることが出来ました」



「いえいえ、私は何もしていませんよ。私にできることはあいさつをすることと、あやまることぐらいです。でも私はいつも、自分が今やっている仕事を楽しみたい、そう思っているだけなんです」







「仕事の最後の日、自分がこれまでどのように仕事に関わってきたのかをまわりの人が教えてくれる。つまらない仕事なんかない。仕事に関わる人の姿勢が、仕事を面白くしたりつまらなくしたりする
んだ」











自分の仕事はこれじゃない。



この仕事は自分に合わないから、上手くいかない。



仕事が面白くないのは、周りの責任だ。







そう考えて、どこかに責任を転嫁するのは簡単です。





でも、




どんな仕事だって、



どんな立場だって、



どんな場所だって。。





その人にしかできないことがあって、



その人がヒーローになれることがある。



夢中になれることがある。








本当は、根底になければならない気持ちが、



実はそれを持ち続けることが一番難しくなってしまっている。





このおじさんを、僕は素直に凄いと思った。





ずっとサッカーが好きで、



幸運にも、今、それを仕事にできてる自分が、それを楽しむことは当たり前。




でも、



それでも楽しめなくなってしまうとき、



楽しむことを忘れてしまう人もいる。






誰もが、このおじさんのような気持ちで仕事をしたならば、



どれだけ素晴らしい世の中になるだろうか。






だから、




まず初めに教えることは、 厳しさではなく、楽しさ ということだ。





新入社員には、厳しさを叩き込ませて覚えさせる



よりも、



楽しみや魅力を感じてもらって、自発的に意欲を持って仕事に臨んでもらう。





学校の新入生には、先輩の厳しさを教えて従わせるよりも、



先輩の 優しさと、 先輩への 憧れ を感じてもらって、新入生自ら付いてくる。





子供が何かを始めようとしたとき、




それをやることの難しさと厳しさを教えるよりも、



それがどれだけ楽しくて、魅力があるのかを教えてあげる。





そうやって始めれば、自然と難しさも厳しさも学ぶから。




でも、



その時に、



あぁ、やっぱりそうだったんだ。やっぱり難しいんだ。




と思うのと、




でも、これは楽しいことで、すっごく魅力があるんだ。だから、これを乗り越えればまた楽しくなる。




と思うのでは、言うまでもない、雲泥の差である。






何かを諦めてしまう人は、たいてい、そういうときに支えとなるものがない。






それは、もしかしたら諦めてしまう人だけが悪いわけではないのかもしれない。






誰もが、いつも 支えとなる根本の気持ち を持って、何かに取り組めればと、この物語を読んで、感じた。






コメント返信コーナー^^




>ゆずみつさん


ありがとうございます^^



井野小のみんなのためにも、頑張ります!

いつか、招待できるように。



僕も、井野小の、目を輝かせて聞いてくれた皆さんが、大好きです^^




>キウイさん


いつもありがとう!



まだまだ、そんな 特別授業 なんて呼べる大したものではないけど・・・。



いつか機会があれば、いいね^^