世界との距離。課題。そして感じる大切さ。



 2/2日本の選抜チームVSFCバルセロナが行われました。


 バルセロナに来て5か月目。このグランドで日本人がバルサと試合をすると思うだけで鳥肌が立ち、とても興奮しました。


 遠征の前、バルサの試合の視察を行ったのですが衝撃を受けました。RCDエスパニョールに15-0。足元の技術はいうまでもりません。半端なくうまいです。ただ全員に共通して言えることは戦える選手であること、サッカーの賢さを持っていることです。1対1の場面では削りにいく勢いでボール奪取にいきます。全員が戦えます。そして全員が賢いこと。ビルドアップ時の適切のポジション取り、ボールの受け方、運ぶドリブル、サイドチェンジの多様など。賢さ、戦う。バルサの選手をみて強く感じたところです。むしろ、おおざっぱに言えばどんなに足元の技術が優れていてもこの2項目がサッカーではとても大事なんだと。特に日本人は。



 試合結果としては前半2-2後半0-8のトータル2-10でした。ただ今回はスコアの問題ではないと思います。それよりも強く感じたところはやはり「賢さ」「戦う」ここがはっきり分かれたことかなと思います。


 「賢さ」に関して。

 足元の技術だけみたら差はそれほどないかなと思いました。2得点の個人技もそうです。ただ個人として適切な判断力、相手との間合い、ボールを受ける準備・受ける位置。ここが明らかな差でした。だからバルサはチームとして機能していたのだと思います。

 そして試合運び。前半の2失点は終了間際のミスから生まれたものでした。バルサの選手達はスキを見逃しません。あたかも狙っていたかのように。リスタート、セットプレー、我慢の時間帯。バルサの選手はそこに関してとても優れていました。そして時間帯。後半明らかにギアの入りかたが違っていました。

 つまり「大人のサッカー」をしていました。


 「戦う」に関して。

 前半2得点できたことは偶然ではないと思います。なぜなら戦えていたから。前からプレッシングをかけしかも激しさがありました。負けないという気持ちをこちら側も感じることが出来ました。激しさは流れを引き寄せます。そこが2得点につながったと思います。逆に後半はその意識がかけていることが大量失点につながったのではないかなと思います。


 

 課題は多くでた試合だったと思います。ただ僕が一番思うことは12歳でバルサとアウェーで真剣勝負が出来たこと。これが何より大切なんじゃないかと。試合中どうやったらバルサの壁をこじ開けるか、今何が足りてなくて何がうまくいっているのか、自然と考えていました。特に選手たちはピッチの中で「世界との距離感」を体感することができたわけです。彼らのこれからのサッカー人生で間違いなくこの試合は一つのモノ差しになるでしょう。それは僕も一緒です。どうすればバルサに勝てるのか。この試合を通してバルサすげーからバルサに勝つ。この貴重な経験を選手たちに強く胸に刻んでほしいです。