私の事業所には、机がたくさん並ぶ。


椅子もたくさんある。


事業立ち上げ時に、足りるように


買ったはずなのに、


様々な理由や状況があって、


この度、買い足すことにした。


長机と作業台。


大型の荷物でダンボールでやってきた。


それを開けて、机の天板と足を


付属のネジで止めて組み立てる。


組み立てながら、また思い出す。


この事は、繰り返し思い出し、


ここにも何度も書いてきた。


私にとって初心にかえる大切な場面。





当時、事業を立ち上げる準備の最中、


私は何もないただの広い空間である


事業所の片隅に、ポツンとひざを抱えて


座って待っていた。私の先生が


事業を立ち上げる為の書類を作るのに


何もない事業所でお話を詰める約束だった。


私の先生を待っている間に、


注文していた、事業で使う机が


ダンボールで次々と運ばれてきた。


それは、部屋の端に山のように積まれた。


机が10台に、テーブル1台、


椅子の4脚が入った特大のダンボールが


6箱という、見ただけで怖じ気づく数。


事務机と書庫だけは、配送に組立を


有料オプションで付けたけど、


あとのものは節約の為に自力で組み立て


ようと思っていて、何とかするのが


まあ私なんだけど。何とかなるって


そう思って受け入れていた。


やがて、私の先生がやってきた。


まだ椅子も机もダンボールの中だから、


2人で地べたに正座して


ひざを突き合わせる形で話をした。


まあ、今思えばその時点であり得ない。


地べたに正座て…笑


色々と書類の話をしていって、


大体話が終わる頃、私の先生は


スッと立ち上がり、ダンボールを開く。


そして、次々と机を組み立てていく。


机の脚なんて、2人居ないと当然無理で


私、ひとりでできます!と意地を


はってみたりして、結局2人で組み立てる。


本当に神かなんかやと思った。


吹けば飛びそうな私の頼りなさや、


いつも私がひとりぽっちなのを見かねて


私の先生は何も言わずに


汗をかきながら机を組み立てて


くださったのだ。


この日の出来事は、本当に大切に


今も私の胸の中にあって、



2年ぶりに、また今日、ひとりで


机を組み立てながら思い出し、


今いる職員達にも、その話をした。


そしたら、ひとりの職員が


『手伝いますよ!』って、


手伝ってくれた。


あの時は、私の先生しかいなかったけど、


今はこうして日々一緒歩む職員達がいる。


なんてありがたい事か。


それを噛み締めながら、


また机を組み立てる。


あの頃の私とは違う。


あの頃を大切にしながら、


今を歩んで行くのだと、


感慨深いものがあった。



あの頃の事は、一生忘れない。


今日と言う日も、一生忘れない。


ありがとう。