健康診断を受けにきたFさん。
Fさんは、40代の男性、タクシーの運転手さんです。
毎年、同じ病院の健診センターで健診を受けています。
日に100本近くのタバコを、20年近く吸っていて、
健診の時には毎年きつく禁煙指導を受けていました。
毎年の健診結果に異常はなく、
指導する側もどうしたらいいものかと手をこまねいていました。
そんなある日、今年の健診を受けにきたFさん、
なんとタバコをやめておられました。
そのことが書いてある問診票を見た事務員のBさんはびっくり!
本当かどうか疑いつつ、保健師さんに報告しました。
保健師さんもびっくりしましたが、Fさんの表情を見ると、
くすんだような顔色から透明感のある肌に変わっているし、
においもまったくしません。
保健師さんがFさんの許可を得て、スモーカライザーを測定したところ、
表示された数値は0ppmでした。
本当にやめたんだなあ、すごいなあと思ったBさんは、
各種の検査を終えて診察を待っていたFさんにこう声かけしました。
B) Fさん、禁煙されたんですね。
日に100本も吸ってらしたのに、すごいですね!
(ありったけのほめ言葉を使って賞賛しました)
F) 何が?
B) えっ?…何がって、タバコですよ、やめられてよかったですよね。
だって、表情が明るくなられたみたいだし…。
よかったなあって思いますけど…
F) …せやから何でやねん。
(怒っているというのではなく、
本当に訳が分からないといった感じでこう返答されました)
B) (無言)
Bさんは、Fさんから帰ってきた言葉が、
まったく予想していたものではなかっただけに、
どう返答したらいいのかわからなくなってしまいました。
皆さんだったらどのように声かけされますか。
(プライバシーに配慮して、一部変更しています。)