ローランドタイプと言われる低地性のビーチです。
バリオ産やムルド産の個体はハイランドタイプと呼ばれ文字通り高山性ですが、こちらはサラワクやブルネイの平地に自生するタイプです。
昔はビーチと言えばこちらのローランドタイプが主流でハイランドタイプは貴重だったそうですが、最近では見た目の派手なハイランドのほうが多く栽培されローランドはあまり見られなくなってしまいました。
外見的にはハイランドが丸みの強いピッチャーを着けるのに対し、こちらのローランドは全体的に細身な感じのピッチャーを着けます。
ピッチャーだけでなく葉もかなり細長く、草姿だけ見ると同じ種とは思えないくらい違いがありますね。
生育スタイルにも大きな違いがあり、高地性のものは主に陽当たりのいい尾根や疎林下に地生するのですが、低地性のものは川沿いの薄暗い林内に自生し専ら樹幹などに着生しています。
厳密には樹幹に生えるコケやシダの根塊中に根を張るのですが、中にはかなりダイレクトに着生する株もあるようですね。
樹幹に着生する低地性ビーチ(ネットから)
ハイランドと違いローランドはほぼ完全な着生種なので、用土の水捌け、鉢内の通気を特に好みます。
保水性の低い粗い用土を用い、常に乾き気味で管理するのがベストだと思いますね。
それと日光を好むハイランドと違い薄暗い場所に自生しているため、空中湿度を高めるためにもやや強めに遮光したほうが安全です。
ちなみにこの株はマレーシアの業者がリリースしている系統で、ピッチャーが綺麗なピンク色になる予定の株です。
まだまだ小さい苗なので本来の色形とは程遠いですが、いずれはビーチらしい美しさと迫力を兼ね備えた魅力的なピッチャーを着けてくれるものと思いますね。
ただし例に漏れず成長スピードは激遅なので、まともなサイズになるのは一体何年後のことになるでしょう。。
現在付いているピッチャー。長さは5cmほど
全然ビーチっぽくない…
大きくなればこのようなピッチャーを付けてくれる。はず
一応順調に生育しているとは思いますが、それでもペース的には年に数枚の葉しか出さないので道程は相当長そうです。