おはようございます。

常楽です。

 

今週もあなたを感情旅行に

ご招待させていただきます。

 

実際に体験するのは大変だけど、

映画でなら没入して

臨場感を感じると

それに近い体験ができます。

 

その体験が

心を豊かにしてくれます。

 

私と感覚が近い方なら、

より楽しんでいただけます。

 

さあ、感情旅行に出かけましょう。

 

 

 

■ナワリヌイ

今回の映画は『ナワリヌイ』です。

 

2022年アメリカ映画です。第95回アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品です。

 

ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏が自身の暗殺未遂事件を自分自身で調査していく姿を綴った作品です。映画公開時の彼の年齢は44歳でした。

 

ナワリヌイ氏は政治活動家の前に投資家でした。投資家としてロシアを見たときに、ロシア経済は社会主義国ロシア政府と癒着しており、株主保護もないしで、まともな投資などできはしないと知り、「ロシアをまともな投資ができる国にしていきたい」との思いから政治活動を始めたそうです。主に企業と政治家の汚職を暴く活動をして、国営の石油会社がひどいことをしている証拠を掴んだり、黒海のリゾート地にある”プーチン御殿”(国のお金1400億円かけて作られたお城)を暴いたりして、国民の人気を集め、大統領選にも期待されるほどでした。

 

しかしロシア政府は、選挙に出馬するたびにナワリヌイ氏を詐欺罪などで逮捕して、たびたび出馬不能にしました。例えば、他国の会社からお金をだまし取ったとの詐欺をはたらいたと政府は説明していますが、お金をだまし取られたとされた会社は「うちはお金をだまし取られていませんよ」と主張しており、詐欺の事実がない確認がされています。

 

その後もナワリヌイ氏は9年の実刑判決を受けますが、ナワリヌイ氏の国の汚職を暴く目的の組織を、ロシア政府は”テロ組織”と認定して、その罪での実刑判決でした。

 

ロシア政府は、自身の体制批判を何が何でもさせない態度なのですね...。ロシアでは民主主義も資本主義も司法すらも正しく機能していない状況の中で、ナワリヌイ氏はそれらを正しく機能させるべく活動を続け、そのひとつにこの映画がある、というわけです。

 

ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件は、2020年8月に起きました。当時にニュースでも報道されました。ナワリヌイ氏は、ロシア国内を移動する飛行機の中で呼吸困難に陥りました。飛行機は緊急着陸し、国内は危険とされたようでドイツへ搬送され治療を受けました。ドイツ政府は「ノビチョク」という毒を使われたために呼吸困難になった、と発表しました。「ノビチョク」はロシアが開発した神経毒で、体内に入ると呼吸困難などを引き起こし、死ぬと自然死のように見えるため証拠が見つかりにくい毒だそうです。

 

ナワリヌイ氏は自分の暗殺未遂に「ノビチョク」が使われたことを知ると喜びました。なぜなら、この毒を使う国はロシアだけであり「プーチンが自分を毒殺しようとした証拠に他ならない」となるからです。

 

この毒は、イギリスでのロシアの元スパイ暗殺未遂事件での調査によってその存在が知られることとなったそうです。なお、監督のダニエル・ロアーとは、治療のためドイツに搬送された先で出会い、そこでこの映画の製作することが決まったでそうです。

 

ダニエル・ロアーは、ベリングキャットという汚職などの調査をする組織に関するテーマの映画を作りに来ていました。そのベリングキャットは、ナワリヌイ氏の暗殺について調査し、実行部隊はFSD(昔のKGB)で、そこにいる5人の暗殺者の誰かがナワリヌイ氏に毒を盛ったことを突き止めます。しかもその5人の暗殺者それぞれの電話番号まで調べてきます。すごい組織ですね。

 

5人の電話番号がわかっているなら電話をしようと、暗殺対象とされたナワリヌイ氏自身が提案し、自ら電話をすることを決めます。そうすることで、どうやって毒を盛られたのか、誰の指示なのか(もちろんプーチンでしょうけど)を調べようというわけです。もちろん、「もしもし、ナワリヌイですけど...」などと正直に電話をかけても話してくれるわけがありませんから、自分はナワリヌイ暗殺の組織の者であると偽って電話をかけて報告書作成のために協力してほしいと持ち掛けます。そうして、いろいろ判明していくのです。この行動だけを見ても、どれほどナワリヌイ氏が勇敢であるかを感じます。

 

ニュースでご存じの方も多いと思いますが、ナワリヌイ氏は、2024年2月16日に北極圏の刑務所にて亡くなります。ロシア政府は本当にナワリヌイ氏のことが怖かったようで、刑務所内にさらに刑務所を作って氏を閉じこめます。しかもナワリヌイ氏解放運動が起きて、民衆が押し寄せて解放されてしまうことを怖れるかのように、北極圏なんて極地に。

 

臆病者は「相手より自分優先」になります。勇気を使えないので、相手が脅威であれば、相手をどうにかして黙らせることで安心したくなるでしょう。暴力行為を用いて脅迫したり、最もひどい黙らせ方は、命を奪うことでしょう。反対に、もし勇気があるなら「自分より相手優先」になれるので、相手も自分も安心できる方法を、対等な関係における対話によって見つけることができます。もし今が平和なら、それは勇気を使ったことを示しているのです。

 

100%自分に忠実に行動すると「後悔」というものと出会うことがありません。目的に対しての失敗を経験すれば「今からどうすればうまくいくか」を考え行動すること以外は意味がなくなるからです。他者によく見られたい目的ではなく、自分次第すなわち自分の努力次第で実現できる目的を持ち、そこへ進むことでも同様です。そして、自分が胸張って誇れる信念を持ち、貫くことも同様です。そんなことを教えてくれる映画だと感じます。

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。

中村常楽でした。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









 

ACE COACHING's Services here