今日は、2005年(平成17年)4月25日に福知山線列車脱線転覆事故が発生して18年になります。思い出すのも憚られる大事故ですが、当時の私は、川西池田駅から福知山線で尼崎方面に毎日通勤しており、事故現場も乗客として車窓から良く目にしていた場所だけに、テレビで流れる緊急報道の映像に驚愕し震えたのを明確に覚えています。

 

テレビの医療ドラマで「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」と云う有名番組がありましたが、コード・ブルーとは病院内で使用されるカラー(色)による緊急コードで、「緊急事態発生」で医療関係者を招集するための医療関連のコードであることをその時に初めて知りました。私自身が大きな総合病院に入院していた際に、「コード・ブラック発生。保安要員は至急××外来に急行せよ」との館内に緊急放送が流れ、「コード・ブラック」とは何ぞやと携帯電話で調べてから、担当看護師さんに質問してみたのですが、入院患者の部外者なので上手にかわされてしまいました。

 

これと同じような経験を、このドラマを見る以前にも経験していました。実は、塚口~尼崎間で発生した脱線転覆事故の第一報を聞いたのは仕事関係で訪問していたJR西日本の社屋内のことでした。館内放送で「●●(社内用の緊急コード)、全員所属部門に至急戻り上司の指示に従え」と流れました。直後の打合予定が急遽キャンセルとなり、部外者にもこれは一大事が発生したと判り、早々に会社に戻りました。テレビでは緊急報道で脱線現場の凄惨な状況が終日流れ、後の調査で速度超過でカーブに進入したのが脱線の原因と判明しました。

 

この事故が発生する前の事ですが、いつも私鉄を利用している妻が所用で福知山線に乗車した際に、「あまりにもJRのスピードが速くて揺れが酷く怖かった。これでは事故になるよ。」と言うのを聞いていました。私自身も、通勤で乗車している福知山線で横揺れが激しい程やたらと飛ばすようになったなとは感じており、これも競合私鉄を意識しての所要時間の短縮を目的にしたスピードアップなのだろうと単純に考えて、妻にもそのように話していました。ところが、ダイヤ上の停車時間が乗降所要時間より短かく設定され、発生した遅れ回復のために目一杯スピードアップして運転されていたのが実態だったようで、事故後に余裕のある停車時間に見直しされました。鉄には殆ど感心のない妻なのですが、その直感には事故後に非常に驚愕したのも事実です。

 

JR京都線の下り207系 (2016年1月5日 山崎)

事故の当該車両となった207系は、気持ちの上であまり撮影対象とならず数少ない1枚です。模型も207系だけは、どうしても未だに購入する気になれません。207系はTOMIXにより事故前から製品化されており、KATOからも追随して事故前に207系2000番台の発売予告がされていましたが、悲惨な事故に対応して急遽生産中止となり、以降もKATOから207系が発売されることはありませんでした。

 

毎年4月25日になると大惨事に関連する報道が繰り返されますが、改めて、事故でお亡くなりになた方のご冥福と、事故に遭遇された方の心身のご快復を、心よりお祈りいたします。