先日、購入したTOMIX製のEF6627(品番7159)の入線整備をしようと準備を始めたのですが、他の方が投稿されている同製品の関連記事を拝見してみると、何かと気になる事項の記載がありました。入線作業を一旦保留にして、私なりに気付いたことを記述してみます。

 

購入時の未整備状態です。改めて観察してみます。

 

塗装が粗いと指摘されている方を多く見掛けました。上の写真のように、特に問題になりそうな塗装は見当たりありませんので、敢えて粗探しをしてみました。

 

側面から遠目で眺めて見る限りも、塗装の粗は見つかりません。

 

指摘されていたのは、前面から側面に回り込むクリーム色の上側の太い帯に対して、側面側の塗膜が薄く地色が透けて見えており、前面と色合いも異なって見えるということです。更に、突合せ部分に段差が生じている個体に当たった方もあったようです。

 

 

写真では、この角度で見ると確かに色合いに差があることが判ります。私の個体も、4ヶ所とも側面の塗装が薄く透け気味でしたが、幸いにも段差の生じている箇所はありませんでした。次に、先回は見落としていたのですが、黒色軟質プラ製の解放テコが、ボディの前面下部に装着済みとなっていました。

 

解放テコの両端は、当然ながらボディ下部からはみ出した位置になります。

 

 

入線整備にてボディを下回りと分離した際に、外したボディを直置きするとボディ下部からはみ出している解放テコを破損する恐れがあるので、ボディの中間部分に枕を噛ますなど、注意して取り扱う必要があります。

 

次に指摘されていた箇所は、列車無線アンテナの取付位置です。列車無線アンテナ2個とGPSアンテナ1個は、屋根に穴開けをして取り付ける必要がありますが、2エンド側の列車無線アンテナの取付用準備穴の位置が間違っており、もう少し2エンド寄り(右寄り)に付くという指摘です。具体的に何mmズレているか、数値を示した投稿は、見た限りでは見当たりませんでした。

 

屋根の裏面に列車無線アンテナの取付用の準備穴Aの凹みがあります。黄色の矢印で示した箇所で、左側が1エンド側、右側が指摘あった2エンド側です。

 

指摘のあった列車無線アンテナの2エンド側の取付穴の中心(アンテナの中心)の位置に、物差しの10を合わせ、機器搬入口のカバーを表現したと思われる大きな窪みの端までの長さを測定してみました。10の位置から左側に13mm、右側に14mmと、1mmだけ1エンド側に片寄っています。また、両アンテナの中心間の寸法は30.5mmでした。

 

機器搬入口のカバーを表現したと思われる長方形に出っ張った部分で、2エンド側のアンテナ中心の位置を求めてみました。ボディ内側で計測した準備穴の中心は、カバー表現の端まで左側<右側で1mmの差がありましたので、屋根上でも1mm差となる位置(左側が14mm、右側が15mm)に物差しの10を合わせ、アンテナ中心になる位置を示す黄色の矢印を貼り付けました。長方形のカバー寸法が、ボディ内側(27mm)と屋根上側(29mm)とで差があるのは、出っ張った部分の壁面の厚み(多分1mm厚)が加わるためです。

 

奥側に、TOMIX製の旧製品でJR貨物の試験塗装(スーパーライナー)を施したEF66-20(品番2159)を置いてみると、確かに1mmほど2エンド寄りに付いています。

 

EF66-20で計ってみると、左側が15mm、右側が14mmと、EF66-27よりも1mm右寄りにあることが判明しました。

 

ところが、2個の列車無線アンテナの中心間隔が、両機で異なります。手前側のEF66-27では30.5mmでしたが、奥側のEF66-20の列車無線アンテナの中心間隔は28.5mmと、2mmの差があるため、1エンド側のアンテナが2エンド寄りに大きくズレています。因みに、EF66-20のアンテナはメーカー取付です。これでは、どちらの車両のアンテナ位置が正しいのか、判断できません。

 

判断に困り、KATO製の現行製品であるEF66後期形ブルートレイン牽引機(品番3047-2)も更に動員(一番手前に配置)しました。KATO製を計測すると、2エンド側のアンテナ中心は、左側/右側とも14.5mmと微妙な差がありますが、一方で2個の列車無線アンテナの中心間隔は30.5mm、更に2エンド側の避雷器とアンテナ中心の間隔は10.5mmと、共にEF66-27に一致していました。こうなると、今回発売のEF66-27の2エンド側のアンテナ位置が間違っているという指摘の根拠は何処から出てきたのでしょうか?

 

実機の列車無線アンテナは、民営化直前に国鉄工場等で後付けしたものですから、施工工場が違えば多少の差異が発生することも考えられます。そこで、EF66-27の実機に詳しい方が、ニーナでは2エンド側アンテナがもう少し2エンド寄りに設置されていると指摘されたのかも知れません。これ以上、究明することは私には不可能ですので、ボディの準備穴を活用することになると思います

【追記】 2022.8.31 12:50  ツイッターに27号機の実機画像入りで投稿されている(→こちら)ことを、ブロ友さんからご教示頂きました。画像から27号機では、どうやら避雷器とアンテナの間隔を、1エンド側と揃えて設置したように見えます。今回の製品だと、中心間隔が6mmになります。同時に発売されたEF66-0の後期型・JR貨物更新車(品番7160)と共通ボディなので、27号機としては相違が生じたということのようです。取扱説明書も、品番7159/7160との共通説明書になっています。

 

最後に、実機を正面から撮影された写真を見ると、運転台の屋根上に搭載されたクーラーは少し左側に片寄って付いている様に見えます。形状が真四角ではなくて左壁面が傾斜して下側で膨らんでいるためで、正面下部にある3ヶ所のボルト頭の中央が車体中心線に一致すれば良いようです。写真は、ボディに穴開け治具を乗せて、その上からクーラーを仮置きしてみた姿です。

 

 

他に気になる点として、電球色に点灯するヘッドライトが暗く感じられます。是非とも改善したいところですが、構造上の問題なのか、LEDの輝度の問題なのか、原因の究明も必要ですので、後日の課題にしたいと思います。なかなか手強いニーナさんです。なお、発売から数日ですが、既にEF66-27と専用クーラーは軒並み完売した模様です。

 

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