KATO製のEF64-1000番台のJR貨物機には、国鉄標準色の他に実機の機器更新に伴う更新色も発売されています。

 

JR貨物機を3種類並べてみました。中央と右側は瓜二つですが、良く見ると前面手すりの色が異なっています。これ以外にも大幅に違う箇所があります。

 

では、左側から順番に見ていきましょう。

左端の機関車は、国鉄標準色を纏い運転台屋根にクーラーを搭載したJR貨物機を再現したものです。製品としては、「EF64-1000 一般色 クーラー搭載車」(品番3024)として販売されています。私が欲しかった時期に市場になく、写真は「EF64-1000 一般色」(品番3023-1)の古い製品にASSYパーツで入手したクーラーを載せた(→こちら)ものです。

 

中央の機関車は、機器更新を実施した際に未更新車と区別するために施された更新色で、更新初号機となったEF64-1015は、EF65の貨物更新色(JR貨物標準色)と同様の塗装でしたが、遠目からEF65-1000と形式区別がつき難いとの理由から、この新たな塗装色(大宮車両所施工の大宮更新色)が採用された経緯があるそうです。塗装配色のイメージから牛乳パックと呼ばれています。更新対象となる機関車の全ての更新が終了し区別の必要性が無くなったことから、現在では定期検査に際して国鉄標準色で出場しており、この更新色機もその数を減らしています。製品としては、「EF64-1000 JR貨物新更新色」(品番3024-1)として販売されています。

 

右端の機関車は、伯備線で使用されていたことから更新工事は広島車両所で施工されました。その際に、広島車両所独自の更新色(広島更新色)に塗装されました。伯備線では、当時EF64-1046~1050の5両が運用されていましたが、この広島更新色で更新されたのは1046・1047・1049の3両のみで、残り2両は未更新のまま転出し更新工事をされることなく廃車されています。側面の配色デザインが一般の更新色と大幅に異なり、配置が愛知機関区に変更されてからは首都圏でも見られるようになりました。その後、1047号機は大宮車両所で定期検査を受けた際に大宮更新色に塗り替えられ、残る2両については幸いにも広島更新色の配色デザイン(青色の色合いが広島施工とは異なる)で出場しています。更に、1046号機が運用離脱したことにより、現在では1049号機のみとなり、その希少性から人気を博しているようです。製品としては、ホビーセンターカトーからROUNDOHOUSEブランドで、「EF64-1000 JR貨物広島更新色タイプ」(品番3023-5)として販売されました。

 

新更新色(左)と広島更新色(右)です。広島更新色は、配色デザイン以外に、乗務員扉が薄黄色・JRFマークが白色・運転台の側面窓枠が黒色で塗装されているのが特徴です。2011年に発売されましたが、再販されておらず、中古市場でも高値となっているようです。

 

最後に、プラケースに入った状態をご覧ください。

「EF64-1000 一般色」(品番3023-1) ・・・ [クーラー搭載加工をした3024-1相当品]

 

「EF64-1000 JR貨物新更新色」(品番3024-1)

 

ROUNDOHOUSEブランド 「EF64-1000 JR貨物広島更新色タイプ」(品番3023-5)

 

これ以外に「EF64-1010 JR貨物試験塗装」(品番3023-2)も発売されていました。(→こちら

 

 

 

 

 

 

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