KATOから先日発売された「郵便・荷物列車「東海道・山陽」後期編成 6両セット」(10-1590)と、単品の「マニ44」(5146)は、既に市場に殆どない程の人気製品だったようで、関連記事の投稿も多数あり何れも人気記事の上位にランクアップされています。

 

同時に再生産された「スニ41-2000」(5139),「マニ50」(5140),「ワキ8000」(8024)は、まだ入手可能な状況でしたので、手持ちにないワキ8000を通販で追加購入してみました。

左側から、ワキ10000(8004),ワキ5000(8010),スニ40(805),スユ44(8026),右端が今回購入したワキ8000(8024)です。右側の3両は区別が付かないほどの酷似しています。

 

この5両の床下機器は全く同一配置で、刻印もNo.804と刻印が共通です。即ち、同一品が使用されていると言うことです。この中で、私が最も昔に購入したのは、スニ40で3桁品番の製品です。

 

スニ40(品番805)のプラケースに入っているインサートシートを取り出して広げてみました。ケース裏面に相当する面に当時の発売製品一覧が印刷してあります。

 

スニ40は形式からも本来は客車なのですが、何故か貨車の品番(800番台)である805が採番されています。一方、先程の床下にあった刻印のNo.804とはワキ10000の当時の品番で、ワキ10000用に設計された床板が同類の製品にも共通使用されていたということです。

 

このスニ40の車体長は、スケール寸法よりも短いとの話を良く聞きます。そこで、実車の車体長を調べてみました。昭和40年から製造されたワキ5000・ワキ10000は共に14850mmで、同車をベースに昭和45年から製造されたワキ8000は新製車とワキ10000からの改造車もあることから何れも14850mm、同時に製造されたワキ8000に車掌室を設けたワサフ8000もやはり14850mm、昭和52年からワキ10000を改造したワキ50000も当然14850mmと、貨車として標準化された寸法14850mmに統一されていることが判明しました。縮尺1/150では99mmとなり、最初に製品化されたワキ10000は99mmと縮尺通りに出来上がっています。

 

次に客車群ですが、ワキ10000を基本とした設計で昭和43年から製造のスニ40、同車と同一設計で昭和44年から製造されたスユ44は、車体長が共に15700mmとワキ10000よりも850mm長くなりました。模型ではワキ10000(品番804)とスニ40(品番805)が、確か同時期に発売になったと記憶しており、車体長が約5.7mm長くなる筈のスニ40ですが、ワキ10000の下回り部品を共用化する設計とすることにより、メーカーとしてコスト・販売価格を下げることで、黎明期の普及を目指したものと思われます。この結果、スニ40は車体長が少し短くなっていたのでした。私がこの3桁品番のスニ40を購入したのは、昭和55年(1980年)頃だったと思いますから、既に40年位前のことになります。敢えて貨車品番に区分することにより、長らく貨車の定価500円を維持(客車の最古製品オハ30系は800円)して販売されてきたことが、製品化に際しての意図を物語っているのではないでしょうか。

 

最後に、各車のサイドビューを載せます。

KATO製品で原形となったワキ10000(品番8004)。

 

ワキ5000(品番8010)は、ワキ10000のボディを色替えした製品ですが、台車は実車の車番区分に合わせてTR63Bが装着されています。

 

写真はありませんが、昨年発売されたワキ50000は、ワキ10000の黄緑色部分をワキ5000と同じ色(とび色2号)に変更した色替え製品です。従って、ワキ10000からの本来の派生製品は、ワキ5000とワキ50000となります。なお、実車のワキ5000・ワキ10000では、前期形が丸屋根、後期形では山形の角屋根に変更されました。KATO製品は前期形の丸屋根ですが、後発となったTOMIX製品は、後期形を製品化することで角屋根のワキ10000・ワキ50000として、差別化が図られています。

 

スニ40(品番805:現行品は8005)、床板をワキ10000と共用したため、山形の角屋根で通風器も付いた専用ボディながら、車体長が約5.7mm短い製品。台車はTR203で実車通りです。

 

スニ40と同一ボディで標記が異なるだけで、台車も共通なTR203を履くスユ44(品番8026)。当然、車体長が約5.7mm短い製品。

 

今回購入したワキ8000(品番8024)は、車番がワキ8955とワキ10000後期形からの改造車をモデルとしており、スニ40と同一ボディで標記が異なるだけ。台車はコキフ50000の乗り心地を改善するために、相互に交換してTR223Bを履くことになった昭和56年(1981年)以降の姿が再現されています。貨車群の製品なので、車体長は正確だが側面扉上にある標記板の配置が客車タイプであり、本来の姿はワキ10000・ワキ5000と同様の貨車タイプになるべきところが惜しいです。気にする程でもないかな。

 

従って、スニ40からの派生製品は、スユ44とワキ8000となります。スニ40とスユ44については、そろそろ正規車体長の製品にリニューアルされることを期待したいですね。床板を共用することなく製品化されているワサフ8000(品番5147-1「八甲田」セット品、品番5147-2「だいせん」セット品)やスニ41-2000(品番5139)とマニ44(品番5146)は、当然ながら所定の車体長で製品化されています。

 

余談ですが、私のスニ41は単品製品ではなく、以前に発売された「郵便・荷物列車<東海道・山陽>6両セット」(品番10-899)の構成品で、ASSYパーツ(品番5139-2)を組み立てたものです。このため単品用の専用プラケースがないため、コキフ10000の貨車サイズ用の短い空きケースに収容していますが、計ったようにピタリと収まっています!

 

更に余談ですが、先程KATOのホームページにある通販サイト(オンラインショッピング)で、「郵便・荷物列車「東海道・山陽」後期編成 6両セット」(品番10-1590)と単品の「マニ44」(品番5146)は、まだ【在庫あり】になっていましたので、お探しの方は覘いて見られては如何でしょうか。