KATO製の電気機関車で、自動連結器を模したナックルカプラーを装備されている方も多いと思います。ASSYパーツとして市販されているナックルカプラーを使用して、ナックルカプラー非対応の旧製品でアーノルドカプラーから交換を試みる方もあるかと思いますが、簡単には実現できないようです。


今回は、EF64-1000番台を題材に、ナックルカプラーの取り付けについて確認してみました。まずは、新旧製品を標準装備のアーノルドカプラーで連結した状態です。

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左側が前面手摺りがモールドで表現された旧製品の一般色(品番3023-1)、右側が前面手摺りが別パーツになった最近の製品でJR貨物新更新色(品番3024-1)です。アーノルドカプラーでの連結では、特に問題はありません。


見る角度を変えてみます。

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真横から見ても、カプラー高さは一致しており何ら問題はないのですが、カプラーをよく見て下さい。スカートから延びるカプラーの柄の高さが違うことを、ご存知でしたでしょうか?これには、何らかの理由があるからですね! カプラーの根元部分が乗っているスノープロウを取り外して確認することにします。
 

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スノープロウは、スカートの裏に挿し込んで固定されており、これを取り外しました。スノープロウ上にはカプラーの装着ピンがあって、カプラーはこのピンに挿し込まれる構造になっています。両方のスノウプロウを見比べると、黒色の旧製品では装着ピンがスノープロウ上面から直接立ち上がっていますが、灰色の最近の製品では四角い台座の上から装着ピンが立ち上がっている点が異なります。スノープロウの脇に製品に添付されているカプラーを並べてみました。右端のナックルカプラーを装着するには、どうやら高さ調節の為に、この四角い台座付が必要なようです。

スノープロウを裏返してみます。
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同様の形状をしていますが、モールド表示された品番が異なります。上面がフラットな黒色は3010(EF81の初期製品の品番),上面に四角い台座のある灰色は7007-1(DF200の後継製品の品番)で、それぞれ他製品にも使用される共通部品のようです。
 
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今迄は説明を判り易くするために、台座の無いスノープロウを黒色、台座のあるスノープロウを灰色で示しましたが、台座のあるスノープロウには黒色モールドの物(品番は同じ)もあります。
 
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アーノルドカプラーを横向けにしてみると、柄が連結部分と接続されている箇所に違いがあることが判ります。
アーノルドカプラーの使用区分を整理すると、以下となります。
 ・台座がないスノープロウに装着する場合:柄の付け根が連結部分の下辺にあるものを使用すること
 ・台座があるスノープロウに装着する場合:柄の付け根が連結部分の上辺にあるものを使用すること

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スノープロウの上面に台座の有無で、スカート自体のカプラー部切欠き穴の高さも異なっています。

従って、ナックルカプラー非対応の旧製品にナックルカプラーを装着したい場合には、スカートの穴形状を目安に、スカート付で販売されている「カプラーセット」を購入してスカート毎交換すればよいことになります。これにナックルカプラーが付いていない場合には、別に販売されているASSYパーツで調達しますが、用途によって黒色・濃灰色・灰色・銀色があり、柄の長短もあります。

カプラーセットが入手できない場合に、カプラーだけを交換すると以下のようになります。
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上面がフラットなスノープロウにナックルカプラーを装着すると、カプラーの高さが本来より低い位置になってしまいます。フラットなスノープロウには自作した台座を追加し、更にスカート穴を拡大する等して検証してみるつもりです。