先般、WIN製の常磐緩行・千代田線用 クハ103-1000番台の外観向上を行いましたが、課題のKATO製のクハ103と同等とする件につき、材料の入手はまだですが所有車両をベースに検討を進めることにしました。

KATO製のクハ103と同等するにはライト類を点灯する必要がありますので、先ずはKATO製のクハ103とを比較してみることにします。

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KATO製 クハ103(左側)と、WIN製 クハ103-1000番台(右側)です。

両車を比較します。

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上側がKATO製,下側がWIN製です。車体内部寸法を測るとWIN製の方が、長さと幅がそれぞれ0.5mm大きいことが判りました。WIN製の下回りをわざわざ加工をしなくても、KATO製の下回りが転用できる可能性があります。ただ、車体との固定構造が窓ガラスの下部形状で全く異なるのが難点です。


次に、ライトが点灯する車両前面部を車体内側から確認します。

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左側がKATO製、右側がWIN製です。KATO製にはヘッドライト・テールライトの遮光板が嵌め込まれていますが、点灯機能のないWIN製には何もありません。

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KATO製のライト遮光板を外すと、テールライトのレンズは遮光板に嵌め込まれており一緒に外れました。ヘッドライトレンズは、単独パーツでまだ車体に嵌っています。
 

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KATO製のライト遮光板をWIN製の車体に嵌めてみると、前面ガラスの一部ほかに当るため天井まで入り切りませんが、収容することは可能です。
 

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両車でヘッドライト間隔は同一ですが、方向幕と番号幕の位置が全く異なっています。また、テールライトの間隔はWIN製の方が0.5mm広いことも判明しました。
 

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両車のヘッドライトレンズのパーツです。KATO製は方向幕・番号幕が一体になったパーツですが、WIN製は更に前面窓ガラスまで一体となった構造で、全く互換性がありません。
 

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試しに、KATO製のヘッドライトレンズをWIN製車体に仮装着してみると、当然ですが、表示幕部が大きく外れてしまいますので、KATO製のヘッドライトレンズはそのまま利用することは出来ません。テールライトは間隔が異なるものの、テールライトレンズが片側毎の個別部品であり利用は可能です。但し、テールライトはヘッドライトとの相対的な位置が両車で異なるため、遮光板を加工する必要があります。

以上から、ヘッドライトレンズ(前面窓と一体成型)とテールレンズはWIN製のままとして、無加工の遮光板を含むKATO製の下回りをWIN製の車体に仮装着(セロテープを巻いて車体に仮固定)して、点灯状態を確認してみることにしました。なお、ライト基板は製品の電球仕様のままです。
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フルに12Vを印可した状態です。ヘッドライトレンズが前面窓ガラスと一体成型なので、前面窓ガラスまで光ってしまいます。そこで前面窓ガラス部分だけ切り離してしまえば、何とか使えそうです。
 
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こちらもフルに12Vを印可した状態です。導光部が無いのですがこれも使えそうです。流石に半分位の電圧(中速走行)では、ヘッドライト共々薄暗くて点灯と言うには無理がありました。


そこで、電球を高輝度LEDに変更すればリカバーできるのではないとか、以前にLED化したクハ103から下回りを借用して確認をしてみました。
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半分位の電圧で、ヘッドライトがしっかり点灯することが確認できました。
 
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同様に半分位の電圧で、テールライトもしっかり点灯していることが確認できました。むしろ、カプラー周りや貫通扉ガラス周辺まで赤く光ってしまい、光漏れ対策が必要です。

次に、下回りの車体への固定方法です。
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上2枚が外側から見た側窓ガラス、下2枚が内側から見た側窓ガラスです。2枚並びの内、上がKATO製(非ATC車用)/下がWIN製です。両車の窓間隔はほぼピッタリのようですが、窓サイズが微妙に違っています。Hゴムの表現が、WIN製は窓ガラスに、KATO製は車体になされているためです。そこで窓ガラス自体はWIN製を使用しておき、KATO製の下回りを固定するにはKATO製のガラス下部にある固定機構部分だけ切り出して貼り付けるのが賢明な方法のようです。

以上から、WIN製品をKATO製品と同等レベルに近付ける方法が決定しました。加工材料が入手出来次第、加工に着手します。(続く)
 

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