構造的に旧製品に属するサロ455を分解する機会がありましたので、分解方法を簡単に記述します。

以前にKATO製のサハシ455を用途変更(塗り替え)したことがありますが、今回はKATO製のサロ455を題材にしています。

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KATO製サロ455の旧製品で、中古販売店で見掛けて購入した車両です。

早速分解してみます。

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最初に屋根板から外す構造になっています。右手で中央付近のクーラーを摘まみながら、左手で車体下部を強めに抑えて側板の上部が反って外側に向くようにして、車体と屋根板の間に隙間を作るようにします。なお、連結面の貫通路扉の窓からマイナスドライバーを挿し込んで屋根板を押し上げて屋根板を外す方法が解説されていますが、この方法では必ずと言って良いほど貫通路扉の窓の下辺が破損して(割れて)しまいますので、写真の方法の方が破損リスクが少ないと思います。
 

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この隙間に、超小形のマイナスドライバーを挿し込みます(ドライバーは唇でくわえて、隙間に挿し込みました)。ドア付近の屋根板に固定爪の突起が見えていますが、片側に3ヶ所あって窓ガラスの上辺に嵌っています。1ヶ所の固定爪を外してから、ドライバーを挿したまま側板に沿ってスライドさせると、順次外すことが出来ます。
 

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このように屋根板の片側が外れたら、屋根板を指で摘まみ上げると車体から外すことができます。この写真で、屋根板にある固定爪の位置を把握してから作業して下さい。
 

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次は、窓ガラスを外します。車端部に近い箇所の窓ガラスと車体の隙間に爪楊枝(または人差し指の爪)を挿し込んで、窓に嵌ったガラスを窓から順次外して、窓ガラスを内側に傾けます。全部の窓から外れたら、座席との隙間から摘まみ上げて抜き去ります。反対側の側面窓ガラスも同様に抜き去ります。
 

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次は台車を外します。台車はピン方式で床板に嵌め込まれていますので、台車を指で摘まんで強く引っ張れば外れます。硬くて外れない場合には、小形のマイナスドライバーを中心ピン付近に挿し込んでから、ドライバーを押し上げれば比較的簡単に外れます。この時、ドライバーをテコの原理で起こそうと、車体側板を支点にすると車体が傷付きますので止めて下さい。台車は2個とも外します。
 

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次に床板(床下)と座席パーツを外します。台車を外すと、座席パーツから延びた固定爪が現れます。小形のマイナスドライバーで車体外側から車両内側に向って押し込みながら、固定爪を押し出して解除します。この固定爪は全部で4ヶ所あり、固定爪を全て解除すると床板が外れて来ますが、慌てて外さずに床板を底になるように持ち替えてから、座席パーツを先に抜いて下さい。この手順を踏めば、床板内部に収容された鉄板製ウエイトが転がり出ることなく、綺麗に床板を外すことが出来ます。
 

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これで分解できました。組立は逆の手順で行って下さい。なお、写真では床板に集電板がセットされていますが、通常は集電板は装着されていません。
 

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本文中では、超小形ドライバーと小形ドライバーで使い分けをしています。超小形ドライバーとは全長が約45mmのもの、小形ドライバーは全長が約105mmのものを指しています。


今回、分解したサロ455は、グリーン車の四葉マークが貼付シールの時代の製品で、分解した車体の素材には黒色プラスっチックが使用されていますので、品番が3桁「425」(後の4025)だった頃の製品のようです。3桁時代のカタログ写真で車両番号を確認するとサロ455-28で一致していました。

四葉マークが印刷となってからの製品(品番:4314)も、構造は同じですので同じ手順で分解できます。153系や165系旧製品なども同じ構造ですので、この手順で分解が可能です。