小樽市総合博物館(元、小樽交通記念館)に現金輸送車として使用されたマニ30形が2004年から展示され、その存在が周知のこととなりましたが、かつてはその用途から存在すら秘匿されていた車両だったようです。


ウィキペディアの「国鉄マニ30形客車」から、画像を転載しました。このマニ30 2012は、二代目マニ30(2007~2012)として、1978年~1979年に新製された車両です。

ウィキペディアの「国鉄マニ30形客車」を検索すると、「マニ30形存在秘匿にまつわる逸話」の項目に、必ずしも存在が新製当初から秘匿されていた訳ではないとして、マニ30に関する記事が掲載された書籍等についても記載されています。保有する書籍でさわりを見てみましょう。

1.星晃・卯之木十三・森川克二 『客車・貨車ガイド・ブック』 誠文堂新光社、1965年6月刊行  P132~133

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初代マニ30形(2001~2006)が、改番前のマニ34形(1~6)として活躍してしていた昭和40年頃の写真・簡単な説明・車両図面(縮尺1/180~1/190位)が掲載されています。この本で、私が現金輸送車の存在を知るきっかけになりました。

2.鉄道ジャーナル 1978年8月号 P55

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ドキュメント・列車追跡で「急行荷物列車 荷33レ」を特集しており、昭和53年5月15日の荷33レ編成表の5両目に「マニ30 2001 南シナ」、運用に「荷11 マニ 三ノ宮-下関・・・」などの記載のみがあります。この時点ではマニ34のマニ30への改番を知る由もないのですが、なんとなく判りました。

3.鉄道ファン 1982年10月号 P15

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荷物列車特集号で、荷物列車の集合写真の中にEF58が牽引する5両編成の最後尾に新型車体の現金輸送車が連結されており、説明は一切なし。昭和50年代後半に大阪駅を20時台に出る福知山行客レの機関車次位に連結された姿に何度も出くわしたことがあり、この時点で新型はマニ30だと知っていました。

4.Rail Magazine 1988年3月号(通巻51号) P88~89

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二代目マニ30(2007~2012)を1/80で模型化した記事が、完成写真と模型化図面(1/120)と共に掲載  されました。国鉄の機関士さんによる自作で、現車寸法を実測していると鉄道公安官に見咎められて中止等の記述もあり、図面はわざわざ裏返しで掲載する気の使いようでしたが、この雑誌の編集長は国鉄から後日呼び出しを受けたとの逸話もあるようです(鉄道ホビダス 編集長敬白 アーカイブ 「マニ30のこと」 20051024日付のブログ記事による)。この記事を見てやったーと、掲載図面を参考にNゲージでマニ50を改造して作りかけましたが、途中で頓挫しています。やはりお金には縁がないようです。


書籍表紙等の写真や記事は、敢えて不鮮明な状態、または紙カバーした状態で投稿しています。秘密のベールが剥された後には、鉄道模型でも製品化され、お上の秘密もこれで一件落着。

【追記】 2017.2.12
「マニ30に関する解説書」が発刊されていることが判り、追加投稿(→こちら)しました。また、4. Rail Magazineの項で触れた雑誌編集長の逸話は、この解説書のP33に詳しく記載されています。