113系のグリーン車には、本来の新製車以外にも他系列から改造して113系に編入されたユニークな車両が各種存在していました。

東海道線東京口の113系には、基本11両編成の4号車・5号車にグリーン車が連結されていました。

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東海道線の113系編成 (1992年4月26日 品川)

5号車に連結されていたグリーン車は編入改造車でした。
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サロ110-356 (1992年4月26日 品川)
サロ110-350番台は、特急用グリーン車サロ489形からの編入改造車で、サロ110-356(2枚共)は、きのこ形クーラー(AU12)を搭載し既設側客扉の下には485・489系の特徴であるステップ跡も残されています。きのこ形クーラーの後継機種である分散形クーラー(AU13E)を搭載した車両もありました。ステップのない側の客扉は改造に際して増設されたものです。前後に連結された車両と車体断面の形状が異なっているのが良く判ります。塗装は塗り分け高さを113系に揃えてありましたが、窓上の緑色部が雨樋だけというのも、種車の屋根高さの差による証です。

4号車は銀色二階建ての新製車サロ124形です。
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サロ124-2 (1992年4月26日 品川)
211系のサロ213をベースに新規製造されたグリーン車です。新製車でありながら、車番1~8は廃車発生品の台車TR69を履いていました。113系運用廃止後は、上野口の211系サロとして編入改造されています。


別の編成です。こちらは5号車に新製車サロ110-1200番台を連結していました。
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サロ110-1260 (1992年4月26日 品川)
サロ111・サロ113に次ぐ三代目の新製車で、断面も113系ときちんと揃っています。

4号車に連結されていたグリーン車はやはり編入改造車でした。
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サロ110-309 (1992年4月26日 品川)
サロ110-300番台は、181系グリーン車から改造された301~303と、183系グリーン車から改造された304~311。写真は後者のサロ183形から改造されたサロ110-309で、113系とは車体断面や屋根高さが揃っていません。また、行先方向幕が種車のシステム上の相違から使用されなかったのも特徴です。


横須賀線も基本11両編成の4号車・5号車にグリーン車が連結されていました。
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逗子行の横須賀線113系グリーン車 (1992年4月26日 品川-西大井)
左側が5号車のサロ110-1200番台、右側が4号車のサロ113-1000番台で、何れも新製車の編成です。

 
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東京方面行の横須賀線113系グリーン車 (1992年4月26日 品川-西大井)                  

左側が5号車のサロ110-1200番台、右側が4号車のサロ110-1300番台のサロ183からの編入改造車です。4号車は車番が不鮮明ながらサロ110-1303のようで、横須賀色の塗装では窓上下の青色が湘南色の緑色よりも上下方向に拡大されて塗装されているのが特徴でした。

鉄道ファン誌の1995年4月号(通巻408号)に車両区分が詳しく掲載されており、バイブルにしています。他の113系サロを東京駅で撮影した画像もある筈なのですが、今回はネガを見つけることが出来ませんでしたので、また機会を改めてとさせていただきます。