なかなか刺激的なタイトルの記事になりますが、結構気にしている人はいるんじゃないかなーと思っています。

これがブログを書く一つのきっかけになったことは間違いありません。

 

入院二日目は朝から発熱した最悪な状況で迎えました。

気分はだるく、昨日は軽く食べられたご飯を食べる気に一切ならず息も絶え絶えです。

詳しいデータをこの時は取っていませんでしたが熱は38度近かったかと思います。

これが輸血の影響なのか、それとも白血球が悪さをしているのかは不明でした。

 

そんな状況でも朝の採血はやってきます。

早朝に採取したデータが午前中に明らかになったようで、先生がやってきてこう告げられます。

「すみません、治療方針の変更です。白血球の数値が悪化していますので、今日から抗がん剤も始めます

 

そのうえで「抗がん剤をすると、人によっては男性の生殖機能に影響を及ぼすことがあり、最悪の場合は無精子病になることもあります。お子様をご希望される方には精子凍結といったことも提案しているのですが」と続けられました。

 

アラフォーのおっさんですが、まだ妻との間に子供はできていません。

結婚して1年半、不妊治療に片足を突っ込んでいるくらいのタイミングでしたが二人とも子供は欲しいという希望ははっきりとしています。

いわゆる精子を採取しての体外受精ももしあと1年くらいできなかったら考えているタイミングでした。

 

息も絶え絶えの状態ながら「お願いします。なんとか精子保存を」とお願いすると予想外の返事が。

「ただ、当院ではやっていないので、やるとなると外部の病院にお願いをすることになるのですが…今からどこまでできるか」

 

えっ!?

ここでやってないの??

ていうか今日から抗がん剤スタートするっていう切羽詰まった状況下で、ほかに受けてくれるところあるわけ??ガーン

 

ちらりと横目で妻を見ます。

こっちが死にそうな表情で横たわっているわけですから、無理にどうこうしようとは思っていないでしょう

でも、分かります

保存できるなら絶対にしたい。子供は諦めたくない。そんな強い意志をビンビンに感じ取ります。

 

なんとか強く先生にお願いしたところ、方々をあたってくれたようで1件だけ、今日の昼2時までに来てくれれば処置しますといったクリニックを見つけて紹介状を書いてくれました。

場所は病院からタクシーで40分はかかるような場所。

 

そう、来院してくれれば、という条件付きです

 

何が原因かは不明ですが、

- 38度+の高熱を出して横たわっている白血病の人間が

- 40分の移動距離を経て

- 精子を採取する

 

難易度マックスの試練到来です。

 

しかし、ここで体調不良を理由に諦めたら病気を乗り越えたとしても一生後悔するかもしれません。

昼の1時には車いすを押してもらいタクシー乗り場まで行ってクリニックへ。

道がやや混んでいましたがなんとか1時58分に到着。

タクシーの中ではひたすらに体力を使わないようほぼ倒れるようにして、着いてからも待合の椅子でぐったりとしていました。

 

そうして迎える採取の時ーー。

採取キット的なものを渡されて個室へと案内されます。

 

正直、「いや、こんな体調悪いのに採取できるかいな」という気分ではありました。

ソファに腰かけただけで、もう眠らせてくれ、という気持ちでいっぱいでムラムラなんてするわけもありません。

たぶん人生で一番最悪なタイミングでの採取。。。

 

心の中で「無理だろ……いや、無理だ」と何度も思いながら奮闘すること十分ほど。

……なんとかなりました。笑

人間の生存本能ってすごいですねガーン

 

残り少ない体力をさらに削り取られた状態で採取した精子を渡し、とりあえず病院へ即戻ることに。

 

妻はその後とんぼ返りで再びクリニックに行って細かな説明を受けたりとすることに。

あとで「元気な精子が無事に採取できたので安心してください」という連絡を受け、一安心。

一度寛解して外泊ができるようになったらクリニックに行って説明を受ける必要はあるようですが

突然のお願いに対応してくださった病院関係者、クリニックの方には感謝しかありません。

 

昨日までふつうの生活をしていたので、精子を保存するのかどうかなんていきなり考えるのは難しいことだとは思います。

抗がん剤が生殖機能に与える影響についてもどこまでの話がなされるのか不明です。

ただ、もし同じような病気になってお子様を考えている人がいるのであれば、こういう手段をとった人もいる、ということを

どこか頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いです。

 

さて、病院に戻ったおっさんですが、実は入院初日は血液内科の病床が空いておらず、別の病棟だったのですが、戻ってくると血液内科の病室に移動になっていました。

 

待たされていた先生たちからすると「やっと患者が帰ってきた。さあ、もう心残りはあるまいな?」とばかりにすぐに抗がん剤の投与がスタート。

熱だけではなく吐き気や頭痛といった抗がん剤特有の副作用にやられ、ここからの記憶はほとんど曖昧です。

いよいよ、ここから本格的な闘病生活のスタートです。

 

クローバークローバークローバー

 

血液データ

血小板 39,000 (通常158,000~348,000)

ヘモグロビン 11.2 (通常13.7~16.8)

白血球 2,600 (通常3,300~8,600)

好中球 19.5% (通常42~68%)

FDP 181.2 (通常0~10)

D-ダイマ 73.7 (通常0.00~1.00)