ヒゲのある吾郎さんもカッコいいです。

『それが僕の夏の思い出』
じっとりと湿度の高い夏だった。
その日、地下鉄駅の構内の空気は、いささか淀んでいたように感じた。
電車が来たので乗った。
車内は弱冷房車で駅構内と同じようにじっとりと暑かった。
席が一つ空いていたので座った。
ジワジワとした暑さに消耗していた身体には、電車で座れたのは幸運だと感じた。
穏やかな揺れが眠りに誘うという至福の時間。
しかし電車が走り出して数分後、ツンと鼻につく臭いに意識が現実に引き戻された。
「臭っ!」と心の中で絶句した。
隣に座っているオジサマが強烈な加齢臭を振りまいているのだ。
「うがっ!なんいう嗅覚への強烈な攻撃!」
しかも電車の天井にある扇風機が無常にも定期的に加齢臭を僕の鼻に届ける。
「だからこの席は空いていたのか?」
疑心暗鬼が自分の心の中で大きくなるのを感じる。
「しかしここで席を立ったら負けだ」
乗車時間はわずか10分程度だ。我慢できない時間じゃない。
あまりの臭さに冷静な判断が出来なくなりつつあった。
すると、次の駅でオジサマは降りていった。
「助かった」とホッとした。
しかし、この日記を書いているのは、あの日の翌日なのだが、実はまだ・・・あの強烈な加齢臭が明確に残っている。
まるで鼻の中にへばりついているようにツンとするのだ。
というわけで今年の夏は甘酸っぱい思い出ではなく、ただひたすら酸っぱい臭いの思い出ができたのだった。
(おしまい)
真田丸が大ヒットしていますが、歴史をテーマにした歌が聞きたくなり、Youtubeで探してみました。
ヤッターマンの主題歌を歌っている山本さんの曲です。
映像が妙にハマってて面白いです。
シキシキブンブンシキブンブンが耳の残って仕方がないです。
この中でもレキシの墾田永年私財法が一番、驚いたかな。
だって墾田永年私財法(こんでんえんねんしざいほう)ですよ。
それがこんな極上な曲になるんて、歴史の授業を学校で習って
いたときには思いもしませんでしたから。