うつ病患者さんが、自分で立ち直れるお手伝いをする個人事業を営んでいます。
私自身が、幼少期から鬱的性格、強迫神経症、うつ病で30年以上苦しんで来た人生でした。
何が何でもこのおかしな症状を消し去りたいと、西洋医学からはじまり、東洋医学、心理カウンセリング、食事療法、整体、サプリメント、心理療法、断食療法、風水、呼吸法、宗教......その他ありとあらゆる方法を、自分自身の心と体を実験台として模索、研究する半生でした。
そしてついに2016年、運命となる答えと出合ったのです。
答えを持っていたのは武道家さんでした。
答えはおそろしいほど簡単で、単純でした。 そして、誰もが知っている事でした。もちろん、私も。
答えは 姿勢 でした。 それも、究極の姿勢です。
歴史の教科書の最初のページに出て来る 猿 → 猿人 → 原始人 → 旧人 → 現代人 → ? の、最終地点でした。
この答えを得たことで、自分がそれまでに蓄えてきた知識、経験が、その答えを核として核融合を起こし、激しく活性化し、新たな閃きと直感を得ました。
うつ病に対応するいくつかの重要なキーワードを。
それは 首、 筋肉、 骨、 重力、 酸素、 肺、 意識、 表情 です。
物理的、肉体的なものばかりですよね?
意識と表情が心に近いかな?と思われるでしょうが、ここでの意識、表情は、計算された思考としてのものですので、一般に認識されている心とは大きく違うものです。
うつ病は心の病とされています。 ゆえに、心からアプローチする方法ばかりがクローズアップされがちです。
が、心の問題とされると結局、過去のトラウマ、心の傷に行き着くため、何をしてもその背景にトラウマ、心の傷を意識してしまうため、どうしても恨み、辛みが出て来てしまいます。
これが回復の邪魔をするのです。
心理学に詳しい方がこれをお読みになると、 「いやいや、意識化する事がうつ病患者には必要なんだよ。怒り、悲しみ、涙を意識化させて、それが表現できるようになると回復していくんだよ」とお思いになっているかもしれません。
まさしく、ネガティブ感情の意識化、表現はうつ病の回復に必要なものです。
が、肉体からのアプローチでもここは通過できます。
心理アプローチの詳しい考察も近いうちに書く予定(心理アプローチもやり方次第でかなりのパワーを発揮する)ですが、ここではひと言、
肉体からのアプローチだと、 「結果として」 通過することになる とだけ言わせていただきます。
角度を少し変えます。
人間の脳の働きは、 思考系、 感情系、 運動系 の大きく3つに分けられます。
この3つがバランス良く働いている状態が、健全な状態です。
運動系の脳が最も活性化する瞬間を、イメージしやすいように例えると、
小、中学生時代の運動会のかけっこ、 よ~い ドン の瞬間です。 この瞬間が運動系のマックスです。
この瞬間に思考系、感情系が入り込む余地はありません。
火事場の馬鹿力もこの状態です。
こんなにバランスの極度に傾いた状態が長時間続くと、人間はつぶれます。
思考系の脳が最も活性化するのはおそらく、受験のテスト中や、採用面接などの時でしょう。
これも長時間続くとつぶれます。
そして感情系の脳が極度にバランス悪く傾く瞬間は、自殺する時、衝動的に殺人をしてしまう時です。
思考系、運動系が入り込めないため、ブレーキが効かないのです。
自殺をしようとしていた人が、些細な事がきっかけでふと思いとどまる事があります。
「あ~、あいつにCD借りたままやったな、返さんといかんな~...」 など。
これは思考系が若干働きを取り戻して、ブレーキとなるからです。
感情系の脳の働きが、自殺、殺人の時ほどまで極端ではないものの、かなりバランスを崩した状態がずっと続き、思考系、運動系のパワーが落ちて 何もする気がおきない のがうつ病状態です。
心の問題に心からアプローチするのは、よほどうまくやらないと、この感情系のバランスの悪さに更に拍車をかける事になります。
ゆえに、カウンセリングの技術には熟練度が必要なのです。
思考系、運動系の脳の働きは、体へのアプローチの中で、計算された、構造的で質の高い 問いかけ を自分自身に発する事で活性化します。
心の問題を解決するには、身体にアプローチする事が最も効率が良く、結果も出やすいのです。
なぜならば、心は体のパフォーマンスによってつくられるからです。
心は、体(筋肉、神経)を 原因 とした 結果 の産物なのです。
結果を結果から解決するのは効率が非常に悪い。 何においても結果は、原因から解決する事が最も理にかなっています。
なるほど! じゃあ うつ の時、どう身体にアプローチすればいいの?
はい、続きは次回とします。
首のお話しをしますよ、 首の。