『ミュージカルは許せない。なんで撃たれて死にそうな恋人同士が、3度でハモるんだ』
タモリの有名なミュージカル嫌いである。
たしかに、敵同士が急に仲良く歌い出したり、恋人同士の密会がハモり出すと、もうそれは密会じゃないじゃんとゲンナリしてしまう。
しかし、ミュージカルは飽くまで、その歌と躍りを見せるのが主で、ストーリーなぞは二の次なのではないだろうか。
『ウエストサイド物語』は『ロミオとジュリエット』が元ネタであり、『ノートルダムの鐘』は『ノートルダム・ド・パリ』が元ネタである。
この通り、ストーリーは誰でも分かりやすく、さらに二番煎じである。
そんな、有名作品をリメイクするのに少し色をつけたいと思うのは、人の世の習わしというものだ。
そこで、ミュージカルという一見華やかで、歌も躍りも、さらに少なからずストーリーさえも楽しめるとなると、そこに魅了されてしまうのであろう。
タモさんは、もしかしたら、もしかしてなくても偏屈なのかもしれない。
逢ったことはないが。
しかし、タモリのミュージカル嫌いは、いつが起源なのだろう。
ミュージカルにトラウマでもあるのだろうか。
「許せない」とまで言っているのだから。
それとも、男の沽券に関わるなにかでも汚されたのだろうか。
なんか、懐の広いタモリらしくない、と言ってみたものの、タモさんって懐が広いかどうか考えたことがあまりないことの思い当たる。いや、タモリはそもそも「私は国民のオモチャです」と言っちゃうほどのオチャラケ人間なのだから、懐は明らかに広そうだ。
タモさん。ならぬ堪忍、するが堪忍。許してたもれ。
なぜ、タモリがミュージカルを目の敵にするのか。ストーリー展開無視の歌躍りは分かるが、それでも「許せない」とは…。
名古屋いじり、ニューミュージックいじりを封印したタモさんなのに…。
タモさん。意見するようですが、食わず嫌いでは大きくなりませんよ。許してたもれ。