※初めて「地球攻略ガイドBOOK」を読む方は、「はじめに」の項目から読んでいただいた方がスムーズです→こちらかどうぞ♪「はじめに ~地球攻略ガイドBOOKより~」


エゴが生まれたきっかけは、過酷な状態の中で、ただひたすら「生きる」ことを選択した結果である、と先にお話しました。

 本来、宇宙のしくみに沿えば、地球と共存していく役割を全うする為に、人は生きています。生死も自然に任せるべきですが、思わぬ大異変に遭遇した結果、生存意欲があまりにも高まってしまい、心が内から外に飛び出ることになってしまいました。



 まず、発達したと思われるのは、循環を無視して「自分だけが生きる」思いであり、それが発展して「特別である」という思いが醸成されたと考えています。人間は、地球に生息するあらゆる生命の恩恵を受けて生かされているのですが、そのしくみを無視してでも「自分だけは生き残らなくてはならない」と強く思った感情が発端となって、エゴの意識は発達していったのではないかと考えています。


 現在エゴには様々な思考と感情が備わっており、日常生活における思考と感情はそれに左右されています。

また、複数のエゴ思考が絡み合って、複雑な思考と感情が生み出されていますが、エゴの特徴を分類すると大きく5つのパターンに分けることができます。



1 特別でありたいエゴ

自然のしくみに逆らって生きることを、エゴは「私は特別だから」という理由をつけて正当化します。

主に我欲と呼ばれるものがここに当てはまります。

「特別」というのは、一見上位に立つことだけに当てはまると思われがちですが、第三章の[波動を下げない方法①日常生活編]でお話したとおり、上位に立つことだけが特別ではありません。

  上位にいようとする人たちは、「強さ」の観点で「特別」の意識を持ち合わせます。また下位にいる人たちは、「弱さ」の観点で「特別」の意識を持ち合わせています。

  「私は強いから」と「私は弱いから」は言っている内容は正反対に見えますが、互いに「特別である」ことを主張していることに変わりはありません。

自分が上であると考えている人が持ち合わせやすエゴは「支配欲」で、自分が下であると考えている人が持ち合わせやすいエゴは「被害者意識」です。

この思想の中から様々な二元論が生まれたと考えています。「正義」と「悪」など、両者が存在し依存関係にあることによって、二元論は保たれ、エゴの意識は更に拡大していきます。



2欠乏感を埋め合わせしようとするエゴ

エゴの意識で生活している間は、天と繋がることができませんから、人は欠乏感を抱きます。エゴはその欠乏感を外部との接触で埋めようとします。エゴにとってもエネルギーは必要なのですが、エゴにとって「内(今にある)」は、「危険なこと」と判断しているので、外部との接触でエネルギーを満たそうと考えるのは自然な流れです。

その欠乏感の埋め合わせの為に、様々な欲が刺激され、快楽を求めます。そこで得た満足感に人は魅了されるものですが、双方とも一時的なものでしかありません。よって、欠乏感を常時満たそうとする行動が、より人を刹那的にさせ、心を荒廃させていきます。


満たされるのは一瞬。そしてまた「足りない」と感じる欠乏感が生み出されます。


エゴで欠乏感の埋め合わせをしようとすると、「もっと、もっと」と心の要求は過剰になっていきますが、人はその気持ちを制止することができず、欲や快楽に溺れていきます。

「支配欲」や「被害者意識」での成功体験は、エゴの記憶に刻まれるため、この意識を保持するための要求も過剰になっていきます。



3 深刻さを深めるエゴ

エゴの思考に身を委ねると、自然と人の波動は低下していきます。「凪」のような波動が徐々に荒々しくなっていきます。海が凪の時、私たちは遠くまで見渡せます。しかし、海の波が高い時は、辺り一帯が見えなくなってしまいます。

  自分の波動状態によって、周りが見えなくなってしまっているだけですが、遠くが見えないので問題を大きく、そして深刻に捉えてしまいます。

  些細であったはずの問題が徐々に大きく深刻に感じていく理由はここにあります。



4「今」に入ろうとする気持ちを阻止するエゴ

  エゴは「今」に入ることを「危険である」と思っていることは先に触れました。エゴにとって正しいのは、「過去」や「未来」を見て、「今」にいないことです。

  だからエゴは「未来」にまず目を向けさせようとします。「未来」に「幸せがある」と思い込ませて、「今」に繋がらないようにします。

  しかし、そのような思考で辿り着いた未来に、本当の「幸せ」などあるはずがありません。

待っているのは一時的な満足であって、その次にやってくるのは欠乏感です。よって、人はまた新たな「未来」への旅に出ていくか、思っていたはずの未来が得られなかったことに不満を抱いたり、傷ついたりして、「過去」を引きずる思いが醸成されていきます。「許せない」や「騙された」などの思いを抱えているのは、「未来」へ期待していた証であり、それによって「過去」に思いを馳せています。
 

5「真実」に気づくことを阻止するエゴ

 エゴは自分が「真実」でありたいのです。「ありたい」と表現したのは、エゴもどこかで自分が真実の形でないことを気がついていると思うからです。

 そうでなければ、こんなにも(笑)と思うほどの、防御体制がエゴに内包されているはずがないとも思います。結局、エゴの根幹は「恐怖」なのでしょう。

 冒頭で触れたとおり、エゴの始まりは「死への恐怖」です。その恐怖たる思いがエゴ自身にも内包されていると考えており、「真実」に気がつかれることに、この上ない恐怖を感じていると思います。

 「真実」に気が付くと、エゴの活動は一時的な縮小を余儀なくされます。でも、エゴは自分自身が「真実」だと言わんばかりに、「真実」に気がつかせないように感情を作り上げていき、人の心を内面ではなく外に向けるように指示します。それによって生まれてくるのが「情報基準の思考」と「情報と自分の同一化」です。

 「情報基準の思考」と「情報と自分の同一化」については、後の項目で詳しく説明します。


 最小限に分類すると5つになりますが、エゴの問題は5つの思考が絡み合って生まれている為、自分の今おける感情や思考が何と何が結びついて起こっているのかまでは、はっきりしないでしょう。

 場合によっては、既にこの解説に関して、反意を持ち合わせている人がいるかもしれません。しかし、反意を持ち合わせている皆さんに一つ言えることは、それこそが「エゴの仕業(行動)」だということです。

 次からは、エゴの活動の実態について見ていきましょう。

次のページへ→第五章 エゴの特性を理解する ~エゴが活動してる時~