ぼくが購買者心理について探求するようになったワケ。

それは“セールスが苦手”だったから。

もし僕が最初からセールスが好きで得意で、自分自身に自信満々の生粋の営業マンだったら、購買者心理やトークのメカニズムに対してここま探求しなかったと思う。

商品を勧める自信がなかった。
クロージングで感じるプレッシャーが嫌いだった。
欲しくない相手に自分が無理強いしているようでイヤだった。
断られて傷つくのが怖かった。

それでも低単価〜高額まで、毎日セミナーで話して売らなければいけない仕事。

毎週やってくる販売日が地獄だった。

当時はお客様一人一人に購入を勧めるエグい時間があった。

売れない時は来場者の誰かが買うまで何度も“お伺い”にいかされる。

自分が店長になったらあの“地獄のお伺いのタイム”を設けずに契約をとりたいと思った。

そうしないと、毎週やってくる販売日が地獄過ぎてこの仕事を続けられないと思った。

そのためには

「申し込みたいんですがどうしたらいいの?」

とお客さんの方から言ってもらえるような売り方をすれば良い。

てゆうかそうするしかない。

どうしたらこちらからムリに勧めなくても買ってくれるのか?

そこから購買者心理を探求し始めた。

・しっかりと見込みを立てること
・トークの的を絞ること
・しっかり必要性を伝えること
・充分に欲求を高めてから売ること
・丁寧に申し込み方法を伝えること
・勧めても嫌われない人間関係を作っておくこと
・断られても来店や購入を継続してもらえる人間関係を築いておくこと

そのためには初動が大切。

クロージングや販売日が迫ってから動いていては間に合わない。

動き出しが遅いからクロージングが怖くなる。
販売が苦しくなる。
告知や販売を遅らせることになってしまう。


動き出せなかった理由は
・いつ?
・誰に向けて?
・何をしていけばいいのか?
を具体的にわかっていなかったから。

お客さんが商品に興味のない段階から、最終的に高額商品を欲しくなり実際に購入するまでの流れや心の仕組みを知れば【意図】を持って動けるようになる。

発信(ぼくの場合はトーク)にも【意図】を持たせることができる。

スタッフの接客にも【意図】を持たせることができる。

【的】と【意図】を持つと【響き方】が変わる。

すぐには変わらないけど、

少なくとも【響き方】を観察するようになる。
分析するようになる。
修正がかけられる。
精度が上がっていく。
結果的に響き方が変わる。

それをセミナースタッフ達と考えた。

セミナートーク中のどこでお客様は動いたのか?
どこで腰が浮いたのか?
どこで欲しくなったのか?
どこで離脱したのか?
離脱した方の再来店はあったのか?

クロージングの段階で
ムリに勧めずにしばらく泳がせた方がいいのか?
多少強引でもこちらから勧めてあげた方がいいのか?

毎日のセミナー終了後に現状の把握と修正・改善を繰り返し、販売の度に再現性と精度を上げていく。

結果的にこの繰り返しが自分たちを楽にしてくれた。

激戦区(来場者が少ない&同業他社乱立エリア)で凌ぐ。
良い市場(新規来場者が多い&同業他社がいない)で大きく稼ぐ。

戦闘力のあるチームになっていった。

いまはそこまで細かく分析・修正せずに天命遂行型でフワッとやるようにしている。

僕のように、元々が天命遂行型の人ほどセールスやクロージングで苦しむ人は多いと思う。

20〜30代の10年間をゴリゴリの目標設定型で生き延びてきた経験がいまの自分を楽にしてくれている。

この時の経験がいまの時間を作ってくれている。

いまはセミナー前に毎朝吐きそうになることはなくなった。 
不安からくる徹底した準備とセミナーリハーサルから解放された。

最低限の準備で自分の感覚・感性を発揮できるようになった。


もし僕が最初からセールスが好きで得意で、自分自身に自信満々の生粋の営業マンだったら、購買者心理やトークのメカニズムに対してここまでの探求はしなかったと思う。

この経験を“天命遂行型&感覚派”の人達のセールスやクロージングを楽にしていくことに役立てたい。

それを伝えている時は心の底から楽しいと思える。

【その人がその人らしく、自分らしく力まずに話している姿がいちばんパワフル】

これがぼくの軸。

自分のトーク、セールス、育成する時の軸。

なぜか?

この状態だとエネルギーが枯渇しないから。
そのエネルギーにあった人が来てくれるから。
自然と欲しくなった人が買ってくれるから。
自然と売上が付いてくるから。

その人が本来のその人らしさを発揮して輝いている様子をみるのが好きなんだと思う。

そうやって自分らしさを発揮した結果として売れていく様子を見るのが好きなんだと思う。

結局セールスより育成が好きなんだと思う。

そのために嫌で苦手なセールスの経験をしてきたのかもしれない。笑