教室に戻り5時間目の授業を受けるが、シンはスマホの中のチェギョンの連絡先をずっと見つめていた。


全く頭に入ってこない授業が終わり、いつものようにギョン達がまわりを取り囲むように座る。
普段なら、ほとんど会話に入ってこないシンが、待ち構えて話し出す。

シン「なあ、いきなりメールをしても大丈夫だと思うか?」

ギョン「それはチェギョンにか?」

シン「ああ、多分チェギョンは友達にも俺とのことを伝えてないと思うんだ。
でも隠し事は苦手なタイプだろうから、辛い思いをさせているんじゃないかと思ってさ。
とにかくちゃんと謝りたいし、今後のことも話したいんだよ」

ファン「あの子なら、大丈夫じゃない?“今後の友達付き合いもあるから、一度話しをしたい”ってメールすれば、ちゃんと返事があると思うな」

シン「そうか…そうしてみる」

先ほど交換したアドレスに、言葉を選びながらメールをする。
すぐに返信があった。



〈イ・シンだ。さっきは楽しかったよ。今後の友達付き合いもあるから、一度きちんと話しをしたいんだが〉

〈シン・チェギョンです。私も話し合いたいと思ってたの。メールだと細かいニュアンスが伝わりにくいし、telをかけてもいいかな?9時ぐらいなら、大丈夫?〉

〈その時間なら大丈夫だと思うが、予定がズレることもあるから、こちらからかけてもいいか?〉

〈えっ?そんな時間まで忙しいの?皇太子業って大変なんだね。ちゃんと待ってるから時間を気にせずにかけてきてね。でも11時を過ぎちゃうと出られないかも…ごめんね(^人^)〉

〈11時過ぎだと都合が悪いのか?〉

〈ううん、眠たくなっちゃうの(_ _).。o○頑張って起きとくけど、出ない時は寝ちゃったと思って諦めてね。じゃあ、今夜のtelを待ってます。アンニョン〉



思わず吹き出す。
なんでこんなにもウキウキするのか。


ギョン「なんだよ、シン。そんなに面白いメールだったのか?チェギョンはなんて言ってるんだ?」

シン「ああ、チェギョンもちゃんと話しをしたいから、9時過ぎに電話をかけてくれるって言うんだが、俺の予定がズレるかもしれないし、こっちからかけるって言ったんだよ。そしたら、待ってるけど11時を過ぎると寝ちゃうかもって言うんだ。
おいおい子供かよって思わず笑いが込み上げてきた」


こんなに楽しそうなシンは初めて見た。
ずっとスマホを握り締め、メールを何度も読み返している。

そんなシンをからかうことさえできずに、上手くいくようにと願う。