スニョン「えっと、ここにいるヒスンと私は先祖代々の皇室ファンで、“シンデレラの会”というブログを立ち上げてて、殿下のファンクラブもやっています。


多分、ファンクラブの規模は校内で最大だと思います。
活動内容は、ほぼ殿下の観察のみで、朝夕の出待ちと写真を撮ったりすることです」

ヒスン「私たちは運良く殿下と同じ高校に進学できて、毎日御尊顔を拝めますが、それができない人達にも普段の何気ない殿下を見せてあげたくて、学校内で撮った写真をブログにアップしています。
ブログの運営も、ファンクラブも二人で始めました。
あの…いけないことだったんでしょうか?咎められたりしますか?」

ファン「先ずは僕からいいかな?さっきのギョンからの電話でザッと調べてみたけど、どちらも問題ないと思うよ。親衛隊とは違い健全な活動みたいだしね。シンはどう?」

シン「ああ、こういう立場だから、見られることも写真を撮られることも仕方ない。一応、内官に確認してみるが、ファンが大丈夫だと言ってるし、何よりも君達はギョンの友達なんだろう?信用するよ」

「「ありがとうございます」」


シンに話しかけられたヒスンとスニョンは、嬉しさのあまり、舞い上がり挙動不審となっている。
二人のことが気になっていたガンヒョンとチェギョンも、ホッと胸を撫で下ろす。


ギョン「そういえばさ、ヒスンとスニョンがファンクラブをやってるんだったら、ガンヒョンとチェギョンはそれに入会してるの?副会長だったりして」


ギョンの問いに、ガンヒョンとチェギョンは気まずそうに顔を見合わせる。


スニョン「ううん。この学校の女子は、ほとんどが殿下の親衛隊かファンクラブ、もしくは御曹司達のファンクラブのいずれかに入会してるんだけど、唯一の例外がヒョリンとガンヒョンとチェギョンなの。

ヒョリンはイン様と幼馴染で、殿下達とも友達だったでしょう?“私はあなた達とは違うのよ”って態度で優越感を滲ませてまわりを見下してたし、そもそも殿下達以外とは関わり合いを持たないと言うか…接触しないと言うか…論外で。
で、ガンヒョンとチェギョンは全く興味なしな感じ」

ヒスン「そうそう、出待ちに誘っても全然付き合ってくれないし、全く興味なし。この校内では珍しい存在でござるよ。あっ…すみません…」

ギョン「ヒスン、いつも通りの喋り方で大丈夫(笑)そうだったんだ。でも今は友達だもんな。
逆に、俺がガンヒョンのファンクラブを作って会長に就任したいよ。チェギョンは副会長に任命しよう。お前達も入会するなら、名誉会員にしてやるぞ。どうだ?」

チェギョン「えー。ガンヒョンのファンクラブなら、私が会長でギョン君が副会長だよ。幼稚園からの付き合いで一番大好きなんだから。ギョン君には負けられないよ」

ギョン「いやいや、思いの深さでは負けてないね」

どうでもいいことで小競り合いを始めた二人を、ガンヒョンが呆れたように見ている。
まるで仔犬がじゃれあっているかの様だ。

ガンヒョン「はいはい、そこまで。ねえ、友達よりもファンクラブの会長がいいの?遠くから見守る立場になりたいの?」

「「そんなのダメー。ファンクラブなんてやめるー、やめとくからー」」

一喝だった。