最近、ネットで「子持ち様」という言葉を頻繁に見るようになり、ついにはテレビのワイドショーでも取り上げられていた。
「子持ち様」とはどういう人のことを言っているのか、使う人によりけりだとは思う。
ただ私が推測するに、この言葉を使っている大部分の人は、子育て中の人全てを「子持ち様」と言って批判している訳ではないと思う。
子供のことで休んだりして他のスタッフに仕事を代わってもらっても、感謝の言葉もなく当然だと言わんばかりの態度の人のことを批判しているのでは。
そうだとしたら、子供がいなくても自分の都合しか考えず他人に仕事を押し付ける人はいるので、別に子供がいるいないは関係ない気がするのだが。
ただ、子育て中のスタッフの仕事を軽くしても、人員が補充されず、そのスタッフの仕事を他のスタッフが代わりにやっても人事評価に繋がらないことも多い。
一部の献身的なスタッフが自己犠牲によりフォローしているというのが実情なのではないか。
ネットでは、もっと子育て中の人に寛容になるべきだ、「子持ち様」と批判する輩はけしからんという論調の専門家の意見も見られた。
もちろん、子育て中の人に寛容でありたいと誰もが思っているに違いない。
しかし、給料や人事評価が上がるとか人員を増やすとかもないのに他のスタッフの仕事もやらなければならない状況に置かれたら、何で子育て中の人ばかり優遇されるのか?と不公平に感じても仕方がないと思う。
子育て中の人は手厚くケアするが、その人をフォローする人にはケアするしくみがないのに、子育て中の人を批判するのはけしからんと精神論ばかり言っても何の解決にもならず、分断を深めるだけの気がする。
なお、今日の「羽鳥慎一モーニングショー」でも「子持ち様」論争を取り上げていて、てっきり「子持ち様」と批判する輩はけしからんという論調かと思ったら、「子持ち様」と批判する側にも寄り添うべき的なことを言っていて、興味深かった。
(冒頭の部分しか観てないけど)
ちなみに、私が以前勤めていた会社では、同じチームに子育て中の人もいたが、休むこともあったがちゃんと責任感を持って仕事していて、チームリーダーの私としてはありがたかった。
それより、忙しい時に必ず休む独身のスタッフがいて、私はその問題スタッフの扱いに頭を抱えていた。
私自身、夫の重い病気が発覚して本当は休みたかったのに休めない上、その問題スタッフが休んで放り投げた仕事を私が残業して片付けた。
それでもその問題スタッフから感謝の言葉の一つもあれば溜飲を下げることもできたのに、「ありがとうございました」の言葉は一度も聞いたことがなかった。
しかし結局、私も夫の看病と死により心身を壊して仕事を休んでしまい、職場の人達に迷惑をかけてしまったので、私は家庭の事情で休む人を批判できない。
そう、子育てとか関係なく、自分も何があるかわからないし、お互いさまなんだよね。
ただ、現代では、多様性が尊重されるのはいいものの、多様な価値観の人々がそれぞれ権利を主張して他人を慮る気持ちの余裕がなくなっていて、対立構造が生じやすくなっている気がする。
全ての人の気持ちに余裕が生まれるような社会のしくみができればいいのだろうけど。