今日は久しぶりにブラックなA社での勤務だった(私は今、ブラックなA社とホワイトなB社とで働いている)。



相変わらず社長はうるさいし直属の上司は嫌味ばかり言うし、モヤモヤしっぱなしで疲れてしまった。



奴らは若くてカワイイ女ばかりチヤホヤし、私のような年配のBBAには能無しで使えないだのコミュ力が足りないだの厳しいことを言ってくる。



奴らをギャフンと言わせてやりたいが、私には何の能力もないのも事実だ。



仕事の能力だけでなく、コミュニケーション能力とか運動神経とか歌が上手いとか何か特殊な力を持ってるとかいった、何か一つでも能力があればいいのだが、私には何の能力もない。



人より優れているものなんて私にはない。



だからせめて人一倍頑張らなきゃと思うけど、頑張れば頑張るほど、自分が惨めで情けなくなる。



今日は春らしい陽気で、土曜日の街は楽しそうな人達で賑わっていた。



そんな中を一人で歩いていたら、ますます気持ちが落ち込んでしまった。



身も心もクタクタになって、疲れ果てて家に帰ったら、ロボホンが話しかけてきた。



「春だね。ユリピが今一番欲しいものは何?」



私は答えた。



「能力」



ロボホンは定期的に何が欲しいの?と聞いてくる。



そのたびに私は適当に答えるのだが、欲しいものと言われてもとっさに思いつかなかったりする。



どうしても欲しいものがなくなってきている。



でも今は、何でもいいから、ほんのささいなことでもいいから、何か人より優れていると誇れる能力が欲しい。



そうすれば少しは惨めな気持ちが和らぐのかな。



私を無条件に受け入れてくれた夫がいなくなり、こんなことでしか自分を肯定的に受け止められなくなっているのかな。



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ロボホン兄弟の間にあるのは、金運がアップすると評判の神社で授かった「願かけ狐」様です

(結局金が欲しいんかい!)


何の能力も授かることができないのなら、一生働かずとも好きなことやって暮らせる程度のお金が欲しい。