今年の全国高等学校野球選手権大会は、慶應高校の107年ぶりの優勝で幕を閉じた。
開会前から「丸刈りにしない」とか「エンジョイベースボール」とかが話題になっていたが、勝ち進むにつれ熱狂的な雰囲気が高まっていった。
見事頂点に達しフィーバーとなったが、一方で、現地での応援のあり方やマスコミの偏重報道に対して批判的な意見も上がった。
私は今回の大会はほとんど観ていなかったので何とも言えない。
ただ、今回のこととは関係ないかもしれないが、マスコミは高校野球を商業利用しすぎでは?と感じる。
純粋にプレーに注目するのではなく、一部のチームの一部の選手や関係者をクローズアップし、プレー以外のプライベートなことまで取り上げて、変にキャッチーなストーリーを作り上げて、恣意的に特定のチームに注目するよう誘導していないか?
プレーに関係なく、一方のチームをヒーローに仕立て上げ、もう一方のチームをヒールにしようとしていないか?
本当の野球ファンだったら、バックグラウンドがどうとかより、まずはプレーそのもので評価する。
贔屓のチームの応援に力は入るが、だからと言って相手チームのプレーに支障が出るほどの過度な応援は控えるし、ましてや相手チームの攻撃中は贔屓チームの応援はしない。
そして、相手チームであっても、素晴らしいプレーには拍手する。
プロ野球であれば、ホームとアウェイ、強いチームと弱いチーム、人気のあるチームとないチームとで、応援に差が出るのは仕方ない。
でも高校野球は、高校生の大会なのだし、どちらもホームでもアウェイでもないのだから、なるべく平等な条件でプレーさせてあげようと、もう少し配慮してもいいのでは?
応援の大小に差が出てしまうのは致し方ないが、話題作りのためにマスコミが特定のチームのみを持ち上げて、それにつられて観客の大多数も一方のチームだけを熱狂的に応援するような雰囲気になってしまうのは、どうなんだろう?
今年だけでなく、過去にも似たようなことがあった。
本当の野球ファンなら、マスコミにとらわれず、純粋にいいプレーを観て楽しみたいと思っているだろうが。