前のブログで、心が満たされるようなモノやコトにお金を使いたいと思えるようになったらどんなにいいかと書いた。
この季節は私にとって一番辛い時期で、精神的に不安定になっているのもあるが、ここのところ、私は何が楽しくて生きているんだろうと空しくなる。
仕事や色々なことを頑張ったところで、達成感もなく、ご褒美に何かいいことがあるとも思えない。
辛いことより楽しいことの方が多い人間なんて、そんなに多くはないんだろう。
辛いとか楽しいとか考える余裕もなく、母国が戦火にさらされ恐怖の中で生きている人、今日食べるものもなく生命の危機に晒されている人も世界中にいる。
夫のように重い病気にかかり、生きたくても生きられなかった人もいる。
それに比べたら、何の楽しみもなくても、何とか普通に生きていられるだけでありがたいことだと感謝しなくてはならないのはわかっている。
でも、やはり、心が渇ききって潤いがないまま生きるのは辛い。
心から楽しいと思えることは無くなってしまったが、せめて気晴らしになるようなことはないかと探してみる。
けれど、何をやろうとしても、色々な思いがよぎり、かえって辛くなってしまう。
どこかへ出かけても、何を観ても聴いても、夫と暮らした日々の記憶が蘇ってしまい、切なくなる。
気晴らしに本を読んだり映画やドラマを観たり音楽を聴こうかと思っても、感情を揺さぶられそうで、ためらってしまう。
昔は、むしろ感情を揺さぶられるような作品を欲していた。
でも、最愛の人がいなくなってから、ストレートに突き刺さりすぎて耐えられなくなっている。
本でも映画やドラマでも音楽でも、良い作品というものは、得てして人間の本質を捉えていて、心が揺さぶられる。
大切な人との別れが描かれたりして、自分のことのように愛おしく思ったり切なくなったりする。
けど、愛おしくて切なくなるような作品って、大切な人が現実に存在する人がそのありがたさを再確認するためのものであり、幸せな現実があるからこそ受け止める余裕もあるのかな、と今になって思う。
既に大切な人を失ってしまった私は、いまさら他人の作品を通して大切な存在のありがたさを伝えられてもと思ってしまうし、受け止められる余裕もない。
結局、当たり障りのない、くだらない本やテレビしか見なくなってしまっている。
はたから見たら、話題の本も読まないし映画やドラマも観ないし音楽も聴かないし、つまらない女だと思われるだろうな。
そう、私はつまらない女なのだ。
私自身、生きていくのがつまらない。
どうしても夫と一緒に過ごした楽しかった日々と比べてしまうから。
もう、こればかりはどうしようもない。
けど、私と同じ経験をして辛くても、好きなことを見つけたりして前向きに生きてらっしゃる方々もたくさんいるのに。
いつまでも後ろ向きな自分が恥ずかしくて情けなくなる。