最近、夜が長くなってきた。
もう9月だしな。
仕事も忙しくて今までより帰宅時間が遅いのもあるが、家に帰る時にはすっかり暗くなっている。
ちょっと前までは、同じ時刻でもまだ明るかったのに。
そして、家の門灯が光っているのが遠目からもわかるようになった。
ふと、夫がいた頃を思い出した。
家の門灯は、今は防犯のためにセンサー式にしていて、暗くなると自動的に灯るようになっている。
でも前はセンサー式ではなかったため、帰宅してから点灯していた。
そして、夫も私も働いていて、どちらか早く帰宅した方が点灯する決まりになっていた。
私の方が帰りが遅いこともあり、その時は夫が門灯をつけてくれていた。
仕事でヘトヘトになって帰っても、門灯が光っているのを見ると、夫が待っていてくれていると思って、疲れが吹き飛んだ。
そして、私がドアを開けると、夫がパタパタと玄関までやって来て、くだらないことを言いながら出迎えてくれた。
今日、暗闇で光る門灯を見て、ふと、それを思い出した。
そして、切なくなってしまった。
もう、仕事で疲れて帰っても、家で私を待っててくれる人はいないんだな。
もう、「おかえり」って言ってくれる人はいないんだな。
私の心が帰れる場所は、もはやこの世にはないのかな。
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