気が滅入ることが多くて、何をしても楽しいと思えないが、幸い、美味しいものを食べたいという欲はまだある。
昨日はお寺に行った後、前から気になっていたラーメン屋さんに行った。
11時の開店前に行ったが、すでに何人も並んでいた。
並んでいるのは男性ばかりで、女性は私以外いなかった。
（開店してからは女性のお客さんも来てたけど、開店前から気合い入れて並んでる女は私一人だった）
しかも、初めてのお店で、様子がわからなくてドキドキした。
ラーメン屋って、行列の並び方とか、食券を買うタイミングとか、どこで待っててどの席に座るとか、食べ終わった後ドンブリどうするとか、お店によって違うので、初めての店だと流儀がわからなくて、ちょっと緊張する。
でも、こうやって、知らない所に飛び込んで、ドキドキするのもいいなと思った。
ラーメンは店主が一つ一つ丁寧に作っていた。
カウンターしかない店で、一人の客が多いので、皆無言だった。
清潔なカウンター越しに、店主がラーメンを作る工程を見つめていた。
まるで、お茶会で亭主のお手前を拝見する客のようで、キリッとした。
いよいよ私の注文したラーメンも出来上がり、店主からドンブリを受け取った。
お茶会のように、思わず鑑賞してしまった。
まずスープを一口すすって、心の中でつぶやいた。
「う、美味い、、、」
その後、黙々と食べた。
意外と量が多くて、食べきれるかなと思ったけど、結局完食した。
久しぶりに無心にものを食べて美味しいと感じた気がした。
夫がいなくなってから、何を食べても心の底から美味しいと感じなかった。
夫と美味しいねって言いながら食べてたから美味しかったんだな。
でも、今日の店は、誰も喋らず無心に食べてて、私も食べることに集中できた。
まだまだ美味しいものを食べたい、美味しいと思える感覚は残っていたんだな。
ちなみに、今日のお店はご飯セットもあったが、食べきれる自信がなく断念した。
今までの私だったら、迷わずご飯セットにしてただろうな。
やっぱりもう若くないんだな。
そして、美味しいものを食べたいと思っても、いつまでも食べられる訳ではないんだろうなと思った。
だとしたら、食べられるうちに食べたいものを食べた方がいい。
食事だけでなく、やりたいことがあっても、いつまでもできる訳ではない。
先のことは色々不安だけど、やりたいことがあるなら、やれるうちにやろうと思った。
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お邪魔したのはコチラ↓
麺創庵 砂田
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