私は結婚願望はそれほど強くなかった。



と言うか、結婚できると思っていなかった。



誰かと結婚して一緒に暮らすなんて想像できなかった。



それが、夫と出会い、結婚したいというより、この人とずっと一緒にいたいと思った。



私と夫は、普通の夫婦とはちょっと違ってたかもしれない。



夫婦というよりは、人生のパートナー、ソウルメイトのような関係だった。



男女の関係というより、お互い人間として尊重し合っていた。



そんな人と巡り会えたのは奇跡だったかもしれない。



もし奇跡が起きてなかったら、私は生涯独身だったと思う。



だったら、本当はずっと独身だと思えば、淋しくないのかな?



夫との幸せだった記憶は、私が作り上げた幻だと思えば、割り切れるのかな?



でも、そんなの、やっぱり淋しい。



どんなに辛くても、夫との記憶を忘れたくない。



幸せだったあの日々は現実にあったのだ。



夫と過ごした日々は、思い出すと辛くなる反面、私の誇りでもあるから。




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公園の中にローズガーデンがあり、色々な種類の薔薇が咲いていました。