東京オリンピックまで、約2ヶ月。
これだけコロナの感染が広がっていて、ワクチンの接種も先が見えないにも関わらず、国も東京都も開催することしか考えていないように見える。
日本国民の安心・安全のためには、中止した方がいい気がする。
しかし、中止したらしたで、これまでの設備投資が無駄になり、賠償金などの後始末のコストも発生し、見込んでいた経済効果もなくなってしまう。
だからといって、開催したらしたで、当初想定していなかった感染対策の費用はかかるだろうし、何より日本国民の安心・安全が脅かされかねない。
もしワクチンでコロナが確実に収束するなら延期という選択肢もあるが、それはそれでさらに追加コストが発生してしまうだろう。
ところで、東京でのオリンピック開催決定は、今回を含めて3回目である。
1回目は1940年。
しかし、第二次世界大戦の勃発により開催権を返上し、幻のオリンピックとなった。
その後、1964年に悲願のオリンピック開催を果たした。
そして2020年のオリンピック。
世界的な新型コロナウィルスの蔓延により、一年延期となった。
実は近代オリンピックで延期になったのは、今回の2020大会が初めてらしい。
「オリンピック、初めて延期 中止は5回、実は東京大会も」
朝日新聞DIGITAL 2020年3月25日より
オリンピック初の延期の上、もし中止となったら、東京は過去3回も開催が決まっていたにも関わらず、そのうち2回は開催できなかった、世界的にも稀な都市となる。
それはそれで、インパクトが大きい気がする。
いっそのこと、逆にそれをネタにして観光誘致したらどうかと思う。
3回中2回もオリンピックが開催できなかった、世界的に見ても稀有な都市として。
一時期、日本国内の各地でご当地グルメとかゆるキャラとかで観光PRが行われていたが、その中で自虐的なアピールで観光誘致するという手法もみられた。
今後、東京は、世界に向けて自虐的なアピールで観光誘致したらどうか。
過去3回のうち2回もオリンピックが中止になった都市なんて、逆に興味をそそられるのでは?
そして、オリンピックスタジアムをはじめ今回のオリンピックのために整備された場所を、幻のオリンピックレガシーとして観光スポットにすればいい。
オリンピックを見込んで建てられたホテルが乱立してるのだから、インフラは整備されている。
それに小池都知事は、もともとコロナの前から、オリンピック・パラリンピック開催時の通勤ラッシュを軽減しようと、テレワークを呼びかけていた。
皮肉にもコロナ蔓延により、テレワークを導入する企業が一気に増えた。
コロナ前は、観光客が増えすぎてインフラ整備が追いつかず、オーバーツーリズムが問題となっていた。
しかし今は、観光客を受け入れる体制は整っている。
日本国民が不安に感じているオリンピック・パラリンピックを無理矢理開催しても、果たして経済効果はあるのだろうか。
それだったら、オリンピック・パラリンピック開催頼みではなく、コロナ収束後に別の切り口で観光誘致を促進して、経済の立て直しを図った方が良いのではないか。
そう考えると、開催か中止かでゴタゴタすればするほど、全世界にTOKYOの名が知れ渡るので、宣伝効果はあるかもしれない。
まさに怪我の功名だ。