今日の昼、NHK Eテレで、「こころの時代〜宗教・人生〜悲しみ癒やす旅路」という番組をやってました(再放送なので、ご覧になった方もいるかも知れませんが)。

国立がん研究センター元総長の垣添忠生さんが、最愛の奥様を癌で亡くし、その後どう生きてきたのかを紹介していました。

垣添さんは、奥様を亡くされてから3か月ぐらいは、毎日泣いて精神的にどん底まで落ちていたそうです。

でも、3か月ぐらい経って、このままではいけないと思い、色々新たなことを始めたそうです。

振り返ると、3か月間、底まで落ちて泣いたことが、グリーフワークとなって立ち直れたと言っていました。

また、奥様の闘病の記録を本にまとめました。

文章に書くことで、心の奥の苦しみや悲しみを表出させ、カウンセラーに話を聞いて貰うように心の重石を取る効果があるんだと気づいたそうです。

その後、お遍路の旅に出て、奥様に対し、感謝の気持ちが湧き上がったと言っていました。

他にも、がんサバイバーを支援するために拠点病院のウォークラリーをしたり、自身の経験を講演会で話すなどして、がん患者への偏見を無くそうとしたり、がん患者遺族のグリーフワークの手助けをしているそうです。

垣添さんの家は、奥様を亡くされてから10年以上経っても、奥様と生活していた時のままになっているそうです。

そして、いつも手帳に奥様の写真を挟んでいるそうです。

奥様を亡くされた悲しみは一生消えないと言っていました。ただ、その喪失感との距離を取るためには、日々の生活に懸命に取り組むことが大切だと言っていました。

垣添さんは自分はいつどう死んでもいいと思っていると言います。

でも、いい加減に生きるのではなく、生きているうちは懸命に生きることが大事だということです。

番組の最後に、奥様とよく行った料理屋さんへ行き、奥様の写真を立て、奥様の席とお食事も用意してもらって、一緒に食べている映像も紹介されていました。

そこで垣添さんは「逆でなくて良かった。この苦しみを妻に背負わせるのは本当にかわいそう」だと言っていました。

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「この苦しみを妻に背負わせるのは本当にかわいそう」という言葉を聞いて、泣いてしまいました。

そうだよ、残された者も死ぬほど辛いんだよ。

夫よ、わかってんのかよ。

でも、一所懸命生きて行くよ。

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なお、NHKオンデマンドでは、有料ですが4月18日まで購入できるようです。
(NHKプラスだと無料で観られるみたいですが、ID登録に時間がかかるかも)

もしご興味があれば観てみてください。