本当に一瞬、夫が夢に出て来た。
やはり、姿や声はモヤッとしててハッキリしない。
夢の中で、YMOの「ビハインド・ザ・マスク」が流れていて、夫が私に「あ、この曲」と言った。
私は「そうだよ、ビハインド・ザ・マスクだよ。」と言った。
その後に私は「あなたのお葬式の時に流したよね」と言おうとして、ハッとして、口をつぐんだ。
そうだ、夫はもう死んだんだ。
それで夫の夢は終わった。本当に一瞬だった。
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夫の心臓が止まった時、看護師さんは、「心臓は止まっても脳は生きていて、耳は最後まで聴こえているから、声をかけてあげてください」と言った。
その後、家に安置している間、夫が好きだった曲をずっと流していた。
夫はクラシックからアイドルまで、幅広いジャンルの音楽を聴いていたが、とりわけインストルメンタルが好きだった。
坂本龍一も好きだったし、ドラマや映画のサントラも良く聴いていた。
葬儀会場では、式が始まるまでの間、夫の好きな曲をCDにまとまて、流してもらった。
夫には聴こえていたのかな。
そして、今でも、私の言葉が聴こえているのかな。