麻綿原(まめんばら)高原のアジサイを目当てに観光気分で。
ところが、
①養老渓谷の方から上がって行くと(会所)、なんと、麻綿原高原への道は崖崩れで通行止め。
②内浦山県民の森から行こうと県民の森駐車場までやってくると、こちらも道路崩落のため通行止め。公園の宿泊施設の方に道を尋ねると、もう一つの林道を教えてくれたのだが、そこが通れるかどうかはわからないと。
③地図とにらめっこ。清澄寺から歩ける。そこで、清澄寺に移動。それがここ、広重の絵に残されている場所。
だけど、曇っていて、霧も濃く何も見えない。


まずは清澄寺(せいちょうじ)に安全祈願。門前のお掃除をしていた女性に麻綿原高原までの道を尋ねると、
「塩を持っていますか」と。
「ヒルが出るから、そしたら塩をかけるとぽろりと落ちますよ。塩を今持ってきてあげる。」と。
ここで頂いた塩が、この後大活躍することになろうとは露知らず。

ここは、日蓮宗大本山。


お参りを済ませ、いざ出陣。

クサアジサイ

登山道は霧に包まれて。
さあ、この後からが大変なことに。
登山道には、湧き出るようにヒル、ヒル、ヒル。
塩を武器にヒルと対決。
写真など撮影する余裕なし。

やっとの思いでヒルの森を抜け出て、お目当てのアジサイまでたどり着く。



あたり一面ブルーのアジサイ。出会った人は2人のみ。

雨が強くなり、アジサイの色も写真におさめると霞んでしまう。

妙法寺というお寺の本堂の前のベンチでヒル退治。お寺で殺生して申し訳ないが。
友人の首筋に貼りついたぷっくりふくれたヒルを見つけ、パニック。








もう、アジサイどころではない。
下山は、あのヒルの登山道をまた歩かなければならない。
駆け抜けるように雨の中下山。

駐車場のトイレ前で、靴を脱ぐと、靴の中にも何匹も。
もう、この頃には、指を塩でまぶしてつまんでヒルを取り除けるまでに。
一生分のヒルに出会った感じ。

関東随一のアジサイの名所といううたい文句であるが、ヒルの名所だ。

下山後、海鮮料理を食べようとレストランに入ると、対面に座った友人の腕に、またいたあ!!
思わず大声をあげる。

さらに、帰宅して、着ていた衣服を洗濯すると、
「いたあー」
どこかについていたのか、小さく小さく丸まっているのが一匹。
洗濯しても死んでない。

風情のある佇まいのお寺とブルーに染まるアジサイの麻綿原高原であったが、
道路崩壊で辿り着くまでに時間がかかりすぎ、ヒルとの格闘も加わり、期待していた紫陽花の山の記憶は薄らいでしまった。 

清澄寺で塩を下さった方には、感謝、感謝。