アカヤシオの花を見るために、ヤシオ山を目指す。名前が気に入ったので、登ってみたくなった。
叶花というところに車を止めて、早速地図を片手に歩き出す。
ところが、登山道はゲート。
その向こうに道が続く。
メンバーの一人がゲートをガチャガチャとやったが開かない。カタクリの群生地と書かれた立て札。もしかして、保護のために立ち入り禁止?
(私有地?)そう思って、別のルートを探す。

しばらく行くと、民家の庭に地元の人。
「ヤシオ山の登山口はどこですか?」と尋ねると、なんと、「そんな山は知らない」と。
裏山を指差して、「あの山ですよ」というと、「山がわかってるのなら、どこからでも登れば良いよ。」
ガーン‼️
仕方がないので、登山道らしきところを登っていった。すると、ガサガサ
「きゃー、鹿だ。」と私が大声を出すと、びっくりした鹿は、急坂を駆け上り消えた。

ふと、足元を見るとカタクリの花。

天然物のカタクリは、締まっていて気品が漂う。どこぞのカタクリ園のものとは異なる。あんなに葉が何枚も出ていない。キリリとした表情。
母がよく言っていた。「山にある花は美しいのよ。里の花はデブっていてダメよ。」
今は、その意味がわかるようになった。

さあ、これからが苦闘タイム。廃道のような山道を登る。時々、道が途切れ。GPSを見ながら、山頂を目指す。道のない斜面は登りにくい。ルートを見極め、うえをめざす。山頂近くになった時、見上げると、あったあ。ピンクの花、アカヤシオ。
なんと、可憐な花なのだろう。

山頂では、多くのアカヤシオが咲いていた。




下山は、ゲートを乗り越えるつもりで、ヤマレコにあったルートを進む。
こちらは、ちゃんと道がある。
それに、標識も。

カタクリ群生地は、鹿よけのアミアミ。風情がない。カタクリはなぜか、その網の外にはみ出している。

傍にスミレも。

ヤシオ山を振り返る。

山の中で会った人の話では、鹿よけのゲートを開けて入って来たとのこと。3組ほどの人たちとすれ違ったが、みんなそのことを知っていたようだ。私たちは、それを知らず冒険の登りとなった。下りは、登山道のある有り難みを強く感じた。おそらく、私たちが登ったところも、かつては登山道だったのだろう。放置されて、廃道に。
山道は、人の手が入らなくなると、一気に荒れてしまうんだろう。地元の道を整備して下さる方々に感謝。