公民館の講座の一環にピアノコンサートが組み込まれていた。
内心、あまり期待もせずに出かけた。
ピアニストは高橋若菜さん
クロアチアで11年在住し、修行をされていた。
「おとなのヨーロッパ街歩き」の番組クロアチアを紹介していた人だった。
それだけで、私はとても親近感を感じた。
そんなことを、思い浮かべながら、コンサートのトークを聞いていた。
私は今までに聞いたことがない曲目が並んだ。
フラノ パラッチ 「男爵夫人の踊り」という曲はバレエの曲で、狂ったように踊る場面らしい。
私は、今、源氏物語を読んでいるせいか、この曲から、六条御息所が霊になって踊り狂う様を思い浮かべた。
イーヴォ ヨシポヴィッチの「ガラス玉演戯」はピアノ曲なのに、シンセサイザーのような感じ。深海の底をイメージした。音楽的ないろんな制約がない楽譜で、モネの絵画のようなイメージを持って作られたらしい。
ショパン「幻想即興曲」
ドビッシー 「月の光」
ベートーベン 「エリーゼのために」
リスト 「愛の夢」
シューマン=リスト 「献呈」
リストが彼女の研究分野のようだ。
リストの演奏法を学ぶためにクロアチアに行ったのではないかと思われる。
最後の3曲に愛の歌を選曲したのは、彼女の思いがここに集約されている気がする。
トークの中に、欧米人は愛をいろんな言葉で表現し、日常的に、その言葉を浴びせるように用いる。日本人は褒めることを殆どしないが。それが、一つのカルチャーショックだったという。
彼女は、この3曲のそれぞれの愛情表現の違いを感じて欲しいと話していた。
年末に、思わぬステキな曲に出会えて、とても感動した。愛ある言葉を日常的に言えるよう心がけなければ。



