spoonアプリのtalk機能にて、書き手をしていたユリンです☃️


spoonアプリのtalkにて投稿していた、長編もの《染師》の台本置き場となります(現時点で未完)。

talk機能が完全に消失したため、こちらに置かせていただきます。


過去spoonにて投稿していた分がAmebaブログで投稿し終えたため、続きを書いています🙇



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「染物職人になるという夢を、母親に否定され、クラスメイトに馬鹿にされて、告白を断ったら相手が逆恨みして、さらに周りからハブられるよう手を回されて…
そんな状況で、純粋に、夢を肯定してくれた人だった。
〝伝統技術を継ぐってことでしょ、それってすごいことじゃん〟って…空き教室で言ってくれたの、今も忘れてない」


184
「昔から家業を嫌う母に、覚悟を決めて、染物職人になるために専門学校に行きたいと伝えた。そしたら罵倒されて、高校卒業したら働けって言われて…出ていけとまで言われて、どうしようもなくなって家を飛び出した。
そんな時唯一頼ったのが彼女(彼)で、うちに来ればいいって言ってくれて…ご両親も、温かく迎えてくれた」


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「母と揉める直前に、祖父に会いに京都まで行った。将来跡を継ぎたいと言った時、母から何を聞いたのか、『機嫌を取らなくていい』と言われて追い帰されて…どうしたらいいかわからなかった。
そんな私(僕・俺)を何日も泊めてくれた上に、話を聞いてくれて、祖父に電話までしてくれて…
おかげで祖父の誤解は解けた」


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「祖父と話し合って、専門学校の費用は祖父母が出してくれることになった。幸い専門学校のあった場所は京都だったから、高校を卒業したら祖父母の家にお世話になることになった。
高校は親友である彼女(彼)と一緒に卒業したかった。でも母のところに帰りたくなくて…
悩んでいたら、彼女(彼)がご両親に、『卒業までうちにいさせてあげてほしい』と頼み込んでくれた」


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「私(僕・俺)の生活費は、祖父母が彼女(彼)のご両親に振り込むという形になって、卒業までの半年ほど、お世話になった。母には祖父母から連絡を入れたとだけ聞いた。
彼女(彼)が肯定してくれなければ、一人で行き詰まったままだった。
…彼女(彼)と、彼女(彼)のご両親には、返しきれない恩がある」


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「だから生きて、幸せになってほしい…彼女(彼)自身にも、ご両親にも、理不尽な理由で苦しんでほしくない…!
苦しむ元凶を現世で裁けないのなら、私(僕・俺)が裁く。例え罰を受けることになっても。
だから正体を明かせなかった。…人を呪うほど憎む、こんな醜い姿、見せたくなかった…」





✨️次回、189話~投稿予定。