spoonアプリのtalk機能にて、書き手をしていたユリンです☃️



spoonアプリのtalkにて投稿していた、長編もの《染師》の台本置き場となります(現時点で未完)。

talk機能が完全に消失したため、こちらに置かせていただきます。


過去spoonにて投稿していた分が、Amebaブログで投稿し終えたため、続きを書いています🙇




178
「それでも、ただ黙って絶望しかない現世に送り返すことはできなかった。
…だから、禁忌を破りました。
全ての元凶であるあの令嬢(令息)に、贈り物をしたんです。貴方が作成してくれた黒薔薇の香水…別名呪いの香水と、呪いの意味を持つ花たちの成分を混ぜ合わせて作り上げた、真っ黒なストールを」


179
「あの令嬢(令息)が絶対に開けるよう、差出人は生前の私(俺・僕)の名前にしました。
あのストールは、強力な呪いとなっています。一度でも身につければ、様々な不幸が雪崩のように押し寄せるでしょう。
ついでに自白剤も混ぜてありますから、近いうちに、自分の罪も告白するでしょうね」


180
「周囲の醜い心を持った人間にも、あの呪いは感染します。令嬢(令息)ご自慢の父親も、無事では済まないでしょう。
…なぜ彼女(彼)に正体を明かさなかったのか?
…言えるわけないでしょう。彼女(彼)は自分を助けたせいで、私(僕・俺)が死んだと思っていたんですから」


181
「もしあの場で正体を明かせば、その後悔の念が強くなっていたでしょう。こちらが助けたことを後悔していないと言ったところで、そう簡単に気持ちは変えられない。
つまり、結果的に生きることを選んでも、死ねばよかったという気持ちが強くなってしまう。…そうなれば、間違いなくこちらの世界に引っ張られてしまう」


182
「何より、こっちは(姿・性別)まで変わっているんです。さすがに亡くなった自分の親友だとは信じられないでしょう。
…本当は、言いたかった。
巻き込んでごめんって。私(僕・俺)が染物職人になれたのは、君(貴方・お前)のおかげだって。そんな君(貴方・お前)には、生きてほしいって。…声を、失ってほしくないって…
言いたいことが、たくさんあった…」




✨️次回183話~投稿予定。