spoonアプリのtalk機能にて、書き手をしていたユリンです🍁



spoonアプリのtalkにて投稿していた、長編もの《染師》の台本置き場となります(現時点で未完)。

talk機能が完全に消失したため、こちらに置かせていただきます。


過去spoonにて投稿していた分が、Amebaブログで投稿し終えたため、続きを書いています。

通常2、3話分の投稿としていましたが、今後は話数を増やして投稿していきます🙇




170

「ああ香師(かおりし)、先ほどぶりで。
…こちらの知らないところで、いろいろやってくれましたね。
…わかってはいますよ、貴方が私(僕・俺)のことを考えてやったことだとは。それでも物申したくなるってものです。
…彼女(彼)なら今しがた帰りましたよ。数日後には、あちらの世界で目を覚ますでしょう」


171
「企みの内容、ですか?…大したことではありませんよ。ただ贈り物をしただけです。
クロユリ、オトギリソウ、トリカブト…これらの成分と染料を混ぜ合わせて、黒のストールを染め上げたんです。それと貴方が作ってくれた例の香水も使わせていただきました。
…誰に送ったのか?
…くだらない理由で人を焼死させ、その罪をその人の大切な親友に擦り付けた、とある令嬢(令息)に、ですよ」


172
「香師(かおりし)、貴方の作る香水は素晴らしいですね。まさか使用者だけでなく、香りを多く吸い込んだ他の者にまで効果があるとは…
…いえね、追憶の香りの香水、混乱状態になった彼女(彼)がうっかり割ってしまったんですよ。
…申し訳ありません、後で必ずお詫びしますので」


173
「それで香りが部屋中に充満しまして…思い出したんです。
今の自分の名前は、違うものだろうとは思っていましたが…まさか、(姿・性別)まで変わっていたとはね。
本当、すっかり忘れていましたよ。
…目の前に客として来た彼女(彼)が、私(僕・俺)の親友だってことも、ね」






✨️次回、174話~投稿予定。