年末、働いている学校の忘年会が何年か振りに一泊旅行になっていた。
気分転換になればと思って参加した。

一次会でかなり飲んでしまい部屋に帰ってきて、3年前くらいから勤務する同じ部屋になった体育の先生と同じ歳である事が分かり、彼と同じ体育大学出身で…人より遅れている彼だけど もしかしてと思い、大学は?専攻は?と聞いたら不思議な事に彼と全く一緒だった。
先生に彼を知っているか?と尋ねたら私の勘は当たり彼の事を知っていた。

「先生、彼が亡くなった」と言うと
「えっ‼︎どうして⁈」と、とても驚いてた。
その時点で泣いている私に何があったのか聞いてくれた。

高校時代の彼はかなり目立った存在で学校中で知らない人がいないくらいの彼だったのに、大学では真面目で大人しくてとても忙しそうにしていたと教えてくれた。

この歳になり初めて大学の中での彼の様子を知る事が出来た。
遊びほうけていた大学生をしていた訳では無く、真面目に頑張っていた事が分かり あの頃の彼を信じていて良かったと思った。

でも、その先生は彼に付いていっていたら多分凄い苦労をしたと思うよ。と言った。
バスケットボールに、彼に、振り回されていたよ。厳しかったと思うよ。とも言った。

私とその先生の話を聞いていた部屋の先生方が「そんなに人を好きになった事が無い」と口を揃えて言う事に私は驚いた。「そんなに好きだった人と恋愛出来た事 誇りに思ったら良いじゃないですか」「そんな素敵な恋愛出来て良かったじゃないですか」と口々に慰めてくれた。
嬉しかった。

今日はいっぱい泣いたら良いよと言ってくれて…彼が亡くなってから私は人の前で初めて思いっきり泣いた。

いつも感謝しながら働いて来たけれど、この日ほどこの学校で働いていて良かったと思った事はなかった。

きっと彼も大好きなバスケットボールで活躍させてもらい働いていた学校には感謝してしていただろうな、学校の為に頑張っていただろうなと思っていた。

ひとしきり色々な思いで泣き切った。

泣くのはもう今年限りしよう。
そんな風に思っていた。