第20話あらすじ (その1) | まったりyuriko

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ウェディングドレスの試着を楽しんでいるソンジュ。
話を聞きつけたヨンガブが動転した様子で駆けつける。

「私の勝ちよ。だから、もう私の事は諦めて 他にいい人みつけなさい。
招待状を作ったから送るわ・・・来て貰わなくていいけど。」

「こんなこと・・・二人とも、不幸になるぞ。
何でいつも不幸になる事ばかりするんだ?!」

「母が亡くなって以来、今 初めて幸せを感じてるわ。 何よ、泣いてるの?」

「結婚の祝いにすごいプレゼントをするよ。楽しみにしてるんだな。」


ホンジャの店に、また刑事たちがやってくる。
あの日、キム・ソンジュンがテサンともめて外へ出て行き、
その後彼は行方不明になったと。
ホンジャは違う!と必死に否定するが、目撃者がいると言われる。

「実は・・・私がやりました。私が彼を殺したんです。
本当ですっ!だから私を逮捕して下さい。
息子は何も悪い事をしていません、彼と会った事すらないんです!」

するとそばで聞いていたペチュが叫ぶ。
「ちょっと待ってくれ!俺の従姉は、人殺しなんてするもんか!
息子のことをかばってるんだ。」

ホンジャは「私を逮捕して!」と何度も繰り返し、ペチュは興奮して叫ぶ・・・。
刑事たちもお手上げ状態(苦笑)。


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殺人事件の重要参考人として、テサンが召喚された事を報じるニュースが流れている。
テサンは告発を拒否しているが、信憑性に欠けると・・・。
「行かないと・・・」
病室でそれを見ていたチャンヒは焦る。


同じニュースを、香港から来たロイ親子も車の中で聞いていた。
会長が、イラつくロイの手を優しく握ってやる。


ミドの家でもそのニュースを聞いていた。

「どうなるんだろう、母親は嘘ついてるね、
ハン社長は一文無しで会社を追い出されるかしら・・・」

と大騒ぎのミド母。するとアッパがやってきて、そんな母をたしなめる。

「こんな事になったからって、手のひらを返すような事言うな。たぶんあれは 偽の供述書だ。」

「あらまぁ、社長の事めちゃくちゃ嫌ってたくせに・・・何でまた急に 肩持つのよ?」

「肩を持ってるわけじゃない。どう考えても、母親をかばおうとしてるとハッキリわかる。
自分を捨てた母親を赦したんだ、不憫じゃないか・・・
別に俺はハンを好きなわけじゃない。だけど、これはあいつがやったんじゃない。」

ミドは、テサンに見せられたチャンヒの手紙が最後の2枚だけ外してあったのを思い出す。
その2枚に 何か関係ある事が書いてあったのではと疑う。



それを確認しようと、翌日テサンを訪ねるミド。

「すみません、電話もしないで突然来て。」

「何かあったのか?」

「刑事が家に来た時、私は社長がこの事件に関わってると思った。
だから、私はあなたが恐かったし 好きになれなかったの。
でも今、あのチャンヒさんが書いた手紙の最後の部分に、
その事が書いてあるんじゃないかと思う。」

「何でそれが大事なんだ? お前には関係ないことだ。」

「残りの手紙を見せて。」

「見せるつもりはない。 だから帰れ。」

「ヤナ感じ、凄く気分悪いわ・・・。」

そこへソンジュが入って来る。 ミドを見て、ムッとする。

「ドレスを選んで来たか?」

「素敵なドレスばっかりで、とても選べないわ。
あなたのタキシードも選んできたから、行って着てみてね。 今夜あいてる?」

「あぁ、いいよ。」

やっと気づいたかのようにソンジュが 「ミドさん、ここで何してるの?」

「何でもありません、じゃ・・・。」


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ドアから出て行こうとするミドに、意を決したように テサンが声をかける。

「ソ・ミドさん、俺 べク・ソンジュさんと結婚するんだ。」

びっくりして何も言えないミド。 一瞬ソンジュもテサンの表情を気にする。
(テサンの気持ちが解ってるからね)

「あらあら、おめでとうくらい言ったらどうなの?」と嫌味たっぷりなソンジュ。

「おめでとうございます・・・結婚おめでとうございます。」

「有難う。(ミドを無視するかのように)テサンさん、私のドレス見たい?」

「招待状送ってください、もしよろしければ 出席したいので。」

「有難う、送るわ。」

ソンジュは携帯の写真を見て見て!とハシャギ気味に見せようとする。

「あぁ、どれも綺麗だ。」
テサンは心ここに非ずで、沈んだ表情。



バスで帰るミド。
気持ちを振り切るように、保存してあったテサンの写真を削除する。




香港から来た会長が、チャンヒと会う。
チャンヒは、お辞儀(チョル)をしてから、会長の前に座る。

「私は、間違いを犯しました。」

「あなたの顔、覚えていますよ。」

チャンヒは準備しておいた紙袋を差し出す。

「あなたの息子さんかどうか検査する為の髪の毛、歯ブラシなどが入っています。」

「あの時、何故嘘をついたんですか?」

「愚かでした。 私にとって家族と呼べるのは、ジェヒだけで・・・
その思いに逆らう事が出来なかった。」

「私も、配慮が足りませんでした。」

「ジェヒのことを・・・よろしくお願い致します。しばらく彼のそばを離れるつもりです。」

「えっ?!ジェヒが息子なら、彼の兄もまた私の息子ですよ。」

「私には・・・償わなければならぬ事が沢山あるのです。」


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ゴールデンツリーの理事たちが、会議を開いている。
ジェヒの隣の男が、テサンを解任すべきだと主張している。
するとロイが反論。

「確たる証拠は何もありません。 ハン・テサン氏が社長として残らなければ、
私は買収も投資もしません。」

別の男が、「次のCEOに、私たちはイ・ジェヒ氏を推薦します。」

ジェヒが狡そうな笑みを浮かべている。

ロイが間髪をいれず、「では、うちは出資しません。」

「ハン・テサン社長でないとダメと仰るのには、何か特別な理由でもあるのですか?」とジェヒ。

「ありますよ。」

「それは何ですか?我々にそれを教えて下さいよ。」

「ハン・テサン社長は、この会社を創った人間です。その人を 待とうともせず、
そればかりか彼を排除して この会社を売り飛ばそうとしている・・・・
今日はここまでに致します。」

そういうと、ロイは席を立ち 会議室から出て行く。
理事たちはざわめき、ジェヒは苦々しげな表情のまま座っている。



ヨンガブに呼び出されて、ソンジュがバーにやってくる。
ワインを注ぎながら「結婚祝いは何がいい?」と尋ねるヨンガブに、
それは私の結婚をぶち壊さないでくれるのが一番のプレゼントだと嫌味。
ソンジュは、テサンが解任されるのを何としてでも止めると言うが、
お前が何をしようが テサンは自分から退こうとするだろうと。
そして、あの日の夜 ヨンガブが目撃していた事を話し始める。


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酒場で酔いつぶれ他客に悪態をつき、暴れているひとりの男・・・。
すると、ツカツカとテサンが店に入って来て、黙ってその男を連れ出そうとする。

「誰だ?お前」

「出るんだ・・・」

「誰なんだ?!」

「ユン・ホンジャの息子だ。」

「はぁ?・・・なら、自分の母親を連れてけ!」

「そんな言い方は止めて下さい。」

「そんなって?!あいつは旦那や息子を捨てた・・・悪いおんなだ。」

テサンはその言葉にキレて、男を殴り倒し そのまま店から引き摺り出す。
同じ店で呑んでいてなりゆきを面白そうにみていたヨンガブが 後を追う。

長い階段のあるところでもう一度殴り、それで終わりにするテサン。
帰ろうと背を向けたその背後から、男が石の塊でテサンの頭を殴りつける。
テサンはその場に倒れ、意識を失いかけている。
男はかなり酔っぱらっていて、ふらついた足を踏み外し 長い階段を真っ逆さまに・・・。
一部始終を眺めていたヨンガブが男に近づき、息があるか確かめると すでにこと切れていた!

と、その時 テサンを心配するチャンヒが名前を呼びながらやってくる。
ヨンガブは、慌ててその場を離れる。
チャンヒは、テサンが倒れているのを見て

「てめぇ、テサン兄に何をした?!」と男の襟首をつかむと・・・死んでいる!

チャンヒは、現場の状況から テサンが殺めてしまったと勘違いする。

「ヒョン、俺は今からあの男を病院に連れて行きますから。」

そう言い残し、チャンヒは死体を担いで 降りしきる雨の中を走って行く。
その様子を、ヨンガブが物陰からじっと見ていた。


事件の真相を聞き、ソンジュは お願いだから警察にその話をしてくれと頼む。
ヨンガブは条件として、まずウェディングドレス姿の写真が欲しい・・・
それともう一つあるが、それは結婚式当日に話すと。

「じゃ、警察へはいつ行ってくれるの?」

「結婚のプレゼントなんだから、結婚式当日に行くさ。約束は守る。」




夜、窓に小石を投げる音で目が覚めるミド。

「ミド、もう寝たのか? ミド!」 テサンの声だ。

急いで外へ出て行くミド。 店の前に、テサンが微笑んで立っていた。

「ここで何してるの?」

「弟を見つけてくれたお礼を言いたくて。いま会ってきたとこだ。」

「本当?」

「有難う。」そういいながら、テサンはミドの手をとって愛おしそうに撫でる。

「あなたの手、本当に温かいわ。」

「お前の手を握ってたからだ。」

「私、何だか・・・理由(わけ)もなく悲しいの。」

「(黒板に)あれ、お前が書いたのか?」

「うん、 『あなたという存在は、かって心痛む本を共に読んだ人です。』

「俺のことだな。」そう言って、黒板のその言葉を消し始める。

「何で消しちゃうの? その言葉選ぶのにすごく時間かかったんだから。」

「目つぶってろ、お前のために書きたい事があるんだ。」

「わかったわ。」

「あっち向いて、目閉じてろ。 覗くんじゃないぞ。」

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「わかった、書き終わったら言ってね・・・・・
書いた? 目開けるわよ。見てもいい?」

返事がないので、目を開け振り返るミド。
そこには・・・誰もいなかった。
黒板にはテサンが書いたであろう言葉。


『お前は、なぜ俺を愛さなかったの?』

(ここで、この歌が流れます)


そこで目覚めるミド・・・夢をみていたのだ。

夢じゃないかもしれないと 急いで着替え、本屋まで走るミド。
勿論テサンがいるわけもなく、黒板にはミドが書いた言葉が・・・。


『あなたという存在は、
かって心痛む本を共に読んだ人です。』


涙がドッと溢れ出す。
「私、どうかしちゃったんだわ。どうしてあんな夢を見たのかしら。」




テサンがロイを、母のクッパ店に連れてくる。
ホンジャは、買い物に出かけていて不在だった。
ロイはテサンに、会社がこんな混乱している時に結婚するのか?!と厳しい口調。

「混乱してるって?」

ロイはそれには答えず、しばらく考えていて

「あなたは、母親の男を本当に殺したんですか?」

「いや・・・(沈黙のあと)俺が辞任しなければならなくても、
お前が会社を引き継げる・・・
テミン。」

びっくりして言葉がでないロイ。
そこへホンジャが戻ってくる。


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「テサン、来てたのね・・・」そう言って、座っているロイを見た瞬間、
すぐにそれが息子のテミンと判る母。
ひしと抱き着く母を、素直に受け入れられないかのようなロイ。

「一度だけでいいから、抱かせておくれ・・・
一度だけでいいの・・・そうしたら 離すから、私の息子。」

ロイも、おずおずと母のほうを向く。 涙が頬を流れ、母を抱きしめるロイ。



「20歳の時、僕は孤児院に電話してハン・テミンは死んだと言いました。
万が一、あなたが私を探すかもしれないから。私はあなたを傷つけたかった。」

「何故そんなことを?」

「憎んでたから・・・。」

「それで、俺の事を知らないフリしてたのか?」

「僕を捜しに来てくれなかったから・・・あなたは 20歳の時、何もしなかった。」

「すまなかった・・・。」

「その後、僕には父(養父)が出来ました。
僕はあなたがどんなに大変な人生だったかも知らなかった。」

「俺を捜しに外へ出て、迷子になってしまったのか?」

「兄さんが、昔住んでた家にいると聞いてたから。 
バスに乗ったら、休憩所にいた少年達にボコボコに袋叩きにされた・・・
お金も盗られて怪我をして、ショックで殆ど口がきけなかった。
ちょうど養子になってた頃だ。」

「・・・・・テミン、母さんを抱きしめてくれて有難う。」
涙を堪え言葉が出ず、小刻みに身体を震わせているロイの肩を、
テサンは優しくポンポンとして手を回す。


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ミドの携帯に ソンジュから、ウェディング写真(結婚前に撮る写真)と共に
「7日、午後5時から」という連絡が来た。
分かってはいても、やはり心乱れるミド。
ジェヒと会っているミドだが、会話も途切れがち。

「こんな風に一緒に食べてると、昔を思い出さないか?」

「そうね。」

「いつ発つの? 決まってたっけ?」

「7日よ。 でも、延期することにしたの。」

「何で?」

「社長の結婚式に出たいから。」

「何で出るんだ?」

「ハン社長が結婚するのを見たいの。」

「君は、まだ忘れられないんだな。」

「好きかどうかは別にして、あの人は私の人生の一部だった。 
それに終止符をうって、次に進みたいの。」

「君の心の中には、ハン・テサン氏が住み着いているんだな。」

「あなたの為に、バカげた演技もしたのよ。
私の事故が社長の差し金だと思ったから、
あなたの事 覚えてないフリをした。
あなたを危険から守ろうと必死だった。」

びっくりし、思わず涙目になるジェヒ。 

「かって好きだった人を守る為に、私は出来る限りの事をした・・・
それでいいでしょう?」

「あの時 君のお米を運んだこと、グァムで君に出会ったこと、
僕は少しも後悔してないよ。」

二人とも、同じように涙を浮かべ見つめあう。

(2人の恋は、こうして終わった。)


テサンとソンジュが二人、デート?している。
嬉しそうなソンジュに比し、どこか寂しげなテサン。 
遠慮がちに腕に手を回すソンジュに、テサンは恋人繋ぎをしてくれる。
露店の前で立ち止まるソンジュ。

「プロポーズは してくれないの?
(玩具の指輪をつまみ)これでプロポーズしてよ。」

テサンは、宝石店でソンジュにブレスレットを買う。

「あなたが外さない限り、外せないわ。 これでもう 私、あなたの女よね?」

「ああ。 ソンジュ、お前は俺の女だ。」

「あなたの今までの仕打ち、みんな許してあげる。」



ジェヒのDNA検査結果が出た。
嬉しくて興奮した為か、胸を押さえる会長。

「ジェヒ、お前を抱かせてくれるか?」

おずおずと近づき、会長の両手をとるジェヒ。
遠慮がちにジェヒを抱きしめ、その両手でジェヒの頬を挟む。

「目と鼻が、お前の母親にそっくりだ。」

「僕は、まだ信じられません。」

「お前の母さんの名は、チョンへ・・・イ・チョンへだ。綺麗な人だった。
私は今、恵まれている。4人の息子がいる・・・
息子のロイ、兄のテサン、もうひとりの息子ジェヒ、その兄のチャンヒ。
我が人生にこんな事が起こりうるとは夢にも思わなかった。」

「あなたにお会いできて嬉しいです・・・・でも僕は・・・・
(涙がツーと流れる)兄と離れる事は出来ません。」

涙がとめどなく流れる。


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ミドが買い物をしていると、偶然そこにウネが来る。

「父さんと呑むんだけど、あんたも来る?」と誘うミド。

「そのあと、買い物に付き合ってくれる?」

「NYで着る洋服買うの?」

「違うわ・・・結婚式に着てく洋服。」

「誰の結婚式よ?」

(テサン達の結婚式だとウネに伝えるミド。)

「何でその結婚式に行くのよっ!それも洋服を買ってまでして!
何で? 自分のために行くの? それって、どういう意味か・・・
まだ彼に未練があるって事でしょ?」

「ヨリを戻したいとは思ってない。 ただ、行きたいだけなの。」

「結婚式に乱入して『(その結婚に)異議あり!』って叫んじゃうわけ?」


呑みながら、ミドが父に小説のアイデアをあげましょうか?と。

「貧しい女の子がいました。
彼女はみんなのように、いい服を着て素敵な場所に行きたいと羨んでいました。
お金の事でご近所に醜態を晒したくはありませんでした。」

ここで、何となく察したアッパは 居心地悪そうにうつむいて呑む。

「すると、ある人がやって来て 彼女を助けてくれました。
彼女は、有難く思いました。 生まれて初めて、お金の心配をしなくて済んだのです。
その時、やっと彼の事を好きになり始めました。
そしてある日彼女は、夢見てたような(理想の)男性に出会いました。」

アッパが口をはさむ。
「彼女は(最初の)素敵な人を棄てて、新しい男の元へ行った・・・・
が、そこでも幸せを見つける事は出来なかったんだろ?」

「いいえ、彼女は最初の人の元にいた。新しい人の事は忘れようとして・・・
その代り、毎日 彼に宛てた手紙を日記に書いたの。」

「そして素敵なヤツは、ある日それを読んでしまうんだな。」

「うん、彼は怒りに震えるけど、(読んだ事を)彼女には隠していた。」

「(それは)彼女を愛してたからか・・・それとも凄く悪いヤツだからか。」とウネ。

「彼は彼女が死んだ後、その日記をもう一人の(新しい)男に渡すの。」

「そして(新しい)男は、失意の涙を流すんだな。」

「いいえ、彼は彼女の事など全く覚えてなかったの。」

「いいわね。」とウネ。

「もし彼女が、新しい男の元へ行っていたらどうだったんだ?」

「そうしたら、多分彼女は最初の人に宛てて毎日手紙を書いていたでしょうね。」

「そして、最初の男は きっと覚えているんだろうな。ハッハッハッ・・・ひどい話だなぁ。」

「ううん、その最初の人も 覚えてなかったのよ。」

「人生も愛も、全て無駄な事だと・・・そういうメッセージか?」

「よくわかんない。 ただ心に浮かんだだけの話だから。」

「今、後悔してるでしょ?」とウネ。

「後悔?何を?」

「何でもない・・・・おじさん、これ小説に書ける?」

「あぁー、気に食わない。書かないよ・・・さぁ、乾杯!」




「ジェヒ、ごめんな。」

「僕を育ててくれて・・・有難う。僕は死ぬまで兄さんの弟だ。」

「兄さんを許してくれ。」

「僕が兄さんだったら、やっぱり同じ事をしてた。」

「彼は、テサン兄の実の弟なのか?」

「そうだ。」

「彼はお前の兄弟だ。
テサン兄は弟を捜して、随分辛い思いをしたんだ・・・良かった。 
結婚式には出るのか?」

「その時間に会議があるんだ。終わってから行くよ。」



テサンとソンジュの結婚式。
秘書室長が、役員会はテサンの解任を可決したと話している。

ドングが 「くそったれ!よりによって、何で今日なんだ!」

「社長は、了解しています。 彼の前では触れないようにしましょう。」

秘書室長たちが行ってしまった後、チャンヒとドングだけになる。

「ドング、お前 テサン兄の事を頼むぞ。」

「何の事だ?」

「式が終わったら、俺は警察に行く。」

「何でだ?」

「あの男は・・・俺が埋めた。」



約束通り、まず一つ目の条件としてウェディングドレス姿の写真を渡すソンジュ。
これを俺の机に飾ったら、俺の妻に見えるなと寂しそうに言うヨンガブ。

「約束は守ってね。」

「勿論だ、今から警察に行く。但しもう一つの条件をきいてくれたらな。」

「言ってよ。」




受付で母と一緒に挨拶をしているテサン。
ミドが会場に現れ、テサンは心穏やかでいられず落ち着かない。
花嫁がまだ到着してないのも気になっている。


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その頃、ヨンガブから もうひとつの条件を聞いたソンジュ。
それは、結婚式会場には行くなという事だった。
行かなければ、警察に出向き真実を話すと。
ソンジュは泣きながら念を押す。

「命にかけて、約束は守れるでしょうね?」

「約束する。お前が結婚式に行かなければ。」



結局、花嫁は遂に現れず・・・会場には誰も残っていない。



テサンがふらふらと椅子に座ろうとすると、ミドもまた残っていた。
ミドはテサンの前を通り過ぎ、確認するかのようにお互いに見つめ合う。
そして、何も言葉を交わさず ミドは去って行く。
出口で、チャンヒがミドを待っていた。
今から警察に行く、無知で愚かな私を許して下さいと。

「テサン兄は、立派な人です。」

最後に微笑みながらそう言い、チャンヒは警察へ向かった。
同じように、ヨンガブもまた警察署の前に来ていた。
ソンジュは泣きながら、ドレス姿のまま車を走らせている。
これが最善の選択だとは思わないが、この数日間 自分は
世界で一番幸せだった、有り難う・・・と。




テサンは自宅に戻ってきた。 
(失望・落胆というより) 自分を嘲笑うかのようなテサン。



翌日、公園で本を読んでいるテサンの元へ母が来る。

「おまえ、大丈夫?」

「大丈夫だよ。」

「もう今は、平日にも休めるのね?」

「うん、いい気分だ。」

「朝のニュース見たかい? お前が無実だって判って、嬉しいわ。」

黙って頷いているテサン。

「花嫁からは、連絡ないの?」

「ないよ。」

「私は、あの子と付き合ってたのかと思ったわ・・・あの、
トリの友達のお姉さん。・・・違うの?」

「そうです。 すごく好きでした。」

「引っ越したんでしょ?」

え?!という表情をするテサン。(知らなかったんだね。)

確認するためか、本屋に向かったテサン。
店は閉められ、だが黒板だけはそのまま残っていた。
文字は薄く消えかかっていたが、テサンにははっきりと読めた。


『あなたという存在は、

かって心痛む本を共に読んだ人です。』


その言葉を読む ミドの声が、何度も脳裏をかすめる。
テサンの目が、涙で潤んできた・・・・。


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NYへ発つミドを送る両親と弟。

「俺たちのことは心配するな。気を付けて行ってこい。」

「アッパも、小説 完成させてね。」

「あぁ、超特急で書いてるさ。」

「オンマ、私の事は心配しないでね。」

「あんた、韓国を発つって ハン社長にメールしたほうがいいよ。」

「よせ!・・・ったく。」とアッパ。 ミドはオンマの問いには答えず

「毎日ビデオチャットも出来るし、遠く離れてるような気はしないわ。
あっちに着いたら、すぐ電話するね。」

それぞれとハグをし、ミドは機上の人となる。