EPS検査などで心室頻拍が誘発されず、ワソラン服用で経過観察となっていた。退院してからも時々動悸・頻脈が感じられ、手首で脈を診ると振れていないことがあった。


入院しているときに出てくれたらなー
なんて思っていた。


2008年8月26日、外来受診。

その前の週に、24Hホルター心電図検査をやって、特に異常なしだった。


そして、あの8月27日。

  入浴後、冷えたミネラルウォーターを飲んだ。
  その直後、喉の奥が詰まるような感じの後、いつもの動悸。


  そして、心臓の上の方で脈が大きく乱れた。
  ダン・ダ・ダーン!


  その乱れが心臓の下に伝わっていくのがわかった。
  次の瞬間、心臓の下の方が”ダダダダダダ・・・”


  太鼓の乱れ撃ちのように、心臓がすごい速さで動きはじめた。


    「あっ、やばい! 発作だ!」


  すぐにイスに座った。


    「はぁ はぁ はぁ ・・・・・・」  


  浅く短い呼吸しか出来ず、だんだん意識が遠くなっていく・・・


    「や、やばい 救急車呼んでもらわなきゃ・・・」


  家族が異変に気づいた。
  妻が駆け寄ってくる。


  その時だった。
    「と、止まった・・・」


  30秒か?1分くらいか?
  とても長く感じた。


  首から上は滝のような汗が噴出してきた。
  発作の最初は、とても苦しかった。


  でも、だんだん気持ちよくなっていった。
  ちょうど柔道の絞め技で、落とされる瞬間のように・・・


  ホント、このまま死ぬのかと思ったよ。
  生命の危険を感じた瞬間だった。


この後も、数秒間心臓が痙攣するようなときが何度かあった。


この時の状況を、10月21日の外来で医師に伝えると、ICD植込みを勧められた。


僕自身、予想していたことなので驚かなかった。

医師に植込みを勧められると、動揺するかと思ったが、そんなことはなかった。


あの日の発作で、生命の危険を感じたことに比べれば、むしろICD植込みは、どちらかと言えば、うれしかった。


そして12月の外来受診で、ICD植込みが決まりました。